台湾行政院は5月19日、記者会見を開き、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、人々の行動を追えるよう入店時に情報の登録を求める「実聯制」の新システムを発表した。連日の国内感染拡大を受け、各店がそれぞれに情報登録を導入していたが、統一されたシステムがなく、訪れる店舗毎に異なる方法での登録が必要だった。新システムにより今後は全国で統一され、手順も簡易化される。
デジタル政策を担当する唐鳳(オードリー・タン)行政院政務委員(大臣相当)が会見に出席し、操作方法について「5秒以内でできる」と紹介した。スマートフォンではQRコードを使用する。入店時に各店専用のQRコードを読み取るとショートメッセージサービス(SMS)の画面に切り替わり、表示された内容をそのまま送信すると完了する。
台湾衛生福利部疾病管制署の公式LINEアカウント「疾管家」を通じてQRコードを読み取ることもできる。スキャン機能がない携帯電話は、店に割り当てられた専用の番号をSMSで送る。宛先には感染症相談専用ダイヤルと同じ「1922」を入力する。送信料は無料。
実聯制では、電話番号など必要最低限の情報の収集のみが認められており、これらの情報は行動歴や接触歴を調べる疫学調査や個人への連絡に利用される。情報は28日間のみ保存され、期間が過ぎれば削除される。
唐氏は、このシステムを使えば個人情報を店側に残す必要はなく、メッセージの記録が通信会社に蓄積される形になると説明。情報は中央感染症指揮センターの疫学調査のみに提供されるとした。また、会員登録や個人情報の入力も不要で、どのような携帯電話でも使えるとアピールした。