リトアニア共和国から輸出されたラム酒(ダークラム24000本)が2021年12月18日、中国で通関拒否される事案が発生した。これを受けて台湾の酒造大手の台湾菸酒公司(TTL=丁彦哲董事長)はこのほど、このラム酒のすべてを購入した。ラム酒は2022年1月9日に台湾の港に到着。1月末には販売できる見通し。「市場の反応によってはリトアニア側と長期的な提携を結ぶ可能性も排除しない」(丁彦哲董事長)とコメントした。
台湾はこれまで、リトアニア向けに医療用マスク10万枚を供与している。その返礼として、アストラゼネカ製ワクチン2万回分が台湾に供与された経緯がある。双方は2021年11月にそれぞれに代表機関を設置。リトアニアに開設した「台湾駐リトアニア代表処」では、欧州初の「台湾」名を冠した代表機関となっている。正式な外交関係はないが、現在も台リの友好関係を深い。中国はこうした行為に反発し、リトアニアに対する政治・経済的圧力を強めている。
丁彦哲董事長は「中国がリトアニアに外交や経済・貿易方面で圧力を加える理由は、リトアニアと台湾が友好関係を深めている事に関係している。我が社は台湾の国営企業として、リトアニアを苦境から救う責任がある」と話した。さらに、ダークラムは台湾でも高い市場性を持つため「早急に支援の手を差し伸べリトアニア産のラム酒を台湾で販売することを決めた」としている。また「一度商品を輸入するだけでは中国から長期的な経済制裁を受けるリトアニアの問題解決にはつながらない」とし「リトアニア側と長期的な提携を結ぶ可能性も模索している。今回輸入するダークラムの市場での受容性が高ければ、これが提携の良いスタートとなるかもしれない」と期待している。
なお、現在は電子メールにて正式契約を締結後、繁体字中国語のラベル、紙箱、手提げ袋などのデザインにも取り掛かっている。近頃の「リトアニア産ビールやチョコレート人気」も相まって、ラム酒の購入希望者は多い。