台湾国内感染拡大で3回目の接種を呼びかけ
台湾では今年に入り、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の国内感染が、台湾北部桃園市(鄭文燦市長)を中心に拡大傾向にあるため、台湾中央防疫センターはこのほど、市民向けに「3回目の接種」を呼びかけている。
中央防疫センターの陳時中総指揮官は1月3日の記者会見で、2022年末に台湾に帰国した人の中から3人の感染者を確認し、いずれもオミクロン株に感染していることを確認した。会見では台湾桃園空港(国際空港)の女性作業員が感染した事を明らかにし「女性には最近海外渡航歴がなく空港で感染した」との見方を強めていた。しかし、同僚や空港作業員が次々と感染しており、感染は一気に拡大している。
中央防疫センターの1月13日の記者会見では、空港のクラスター関連者が桃園市内の銀行を訪れ、その接触者のうち3人の感染者が判明した。職員や接触者を対象に実施した検査では、銀行の忘年会が行われたレストランの従業員を含め、銀行のクラスター関連者が14人に上がった。これを受けて鄭市長は1月18日の記者会見で「市内の各級学校に予定より早く冬休みに」と要求した。
台湾衛生福利部の統計によると、空港のクラスターが判明した後、台湾の国内感染者数122人が確認された。一方、陳氏は1月7日の記者会見で、18歳以上の全ての人は新型コロナウイルスワクチンを3回目接種すべきだとの見解を示し、これまで2回目と3回目の接種間隔を5ヶ月以上から「12週間以上」に短縮すると発表した。
台湾では2021年の12月から3回目の接種が始まり、米モデルナ製ワクチンのみが使われていたが、現状を受け、英アストラゼネカ製、独ビオンテック製(ファイザー社製)、そして台湾国産ワクチン・バイオロジクス製を新たに加えている。
3回目のワクチン接種の予約サイトの受付は1月15日から始まり、蔡英文総統は同日、頼清徳副総統と一緒に台湾大学の接種会場でバイオロジクス製ワクチンを接種した。なお、蔡総統は接種後に国民に向けて「3回目の接種を」と呼びかけている。