台中市和平区と長崎県東彼杵町が11月2日、台北駐福岡経済文化弁事処(陳銘俊処長:総領事) の仲介により、オンラインで友好交流意向書を締結した。
オンライン会議では、最初に陳総領事が挨拶し、「今日は大分県玖珠町と彰化市の姉妹提携・友好交流締結式に続き、2件目となる台中市和平区と長崎県東彼杵町の友好交流意向書の締結式に立ち会うことが出来、これほど嬉しいことはない」と口火を切った。
さらに「東彼杵町は何度か訪問した場所であり、美味しいお茶を飲み、珍しいクジラ肉を食べた印象が残っている。一方、和平区の梨山地方は高校卒業後にアルバイトをしたこともあり、大変懐かしい思い出の場所だ」とのエピソードを披露。両地がお茶という共通の特産品を通じて交流を始めることへの祝意をのべるとともに、これがきっかけとなって、さらに他地域でも同様の交流が生まれることへの期待を表明した。
次いで東彼杵町の岡田伊一郎町長が町の特長と和平区との交流への期待について「東彼杵町の面積は74.29平方キロメートル、人口は7,500人という小さな町であるが、美しい景色と交通の便の良さが自慢である。長崎空港に近く、高速道路、新幹線なども走っており、長崎市や佐世保市まで約40分、 福岡市まで1時間30分という便利さである。農業が盛んで、苺・アスパラガス・みかん・肉用牛・お米などが並ぶ『道の駅』には町内外から年間100万人のお客様が来店する。しかし何と言っても胸を張れるのは『そのぎ茶』という銘柄のお茶で、産地ごとに品質を競う全国大会では、最高賞である農林水産大臣賞を今年まで通算5回受賞している。台中市和平区には『梨山茶』という有名なお茶があると聞いているが、ぜひ両地のお茶とその文化を通じて交流を深め、さらに他の産業や、文化、教育など様々な振興に繋げていきたい」と述べた。
次いで台中市和平区の呉万福区長が「『そのぎ茶』というブランドを持つ東彼杵町と交流することができるのは大変光栄だ。和平区には大雪山国立森林遊楽区、谷関七雄歩道、 谷関温泉などの観光名所があるが、農産物でも、桃、りんご、甘柿、梨など、梨山の産品が多い。特に『梨山茶』については、2016年から区役所が先頭に立ってその品質を維持するために、『梨山茶原産地認証マーク』の使用を推進している。産地認証シールを付けるためには、厳格な残留農薬の検査と品質管理に合格する必要があり、今やこのシールが梨山茶を購入する消費者に安心と美味しさを保証するものとなっている。和平区と東彼杵町には美しい自然を始めとする多くの共通点があるが、最大の共通点は良質で美味しいお茶であり、これこそが交流の扉を開くきっかけになったと考えている。今後は両地域が持つお茶の文化を通じた交流を深め、お互いの国際舞台での知名度を向上させることを心から期待する」と挨拶した。
両地域の町長、区長による挨拶と意思表示の後、意向書の締結・調印に進み、オンライン上で意向書を確認した後、陳総領事から関係者の相互訪問支援などの意向が示され、画面を通じた集合写真撮影を経て、締結式を終了した。