中国が台湾周辺で軍事演習 台湾けん制か

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中国の軍事的圧力に対抗するため、台湾では敵の侵入を想定して演習を行った(写真:中央社)

中国人民解放軍東部戦区の施毅報道官は1月8日、台湾周辺の海空域で統合パトロールと実戦演習を行ったと発表した。施氏によると「演習は陸地に対する攻撃に焦点を当てた」と説明。台湾をけん制した。

なお、昨年12月25日にも台湾周辺で「統合軍事演習」として実施されており、中国は2024年1月の台湾総統選をにらみ、民進党政権の継続を阻止することを狙ったものと見られる。同氏は「外部勢力と台湾独立勢力が結託した挑発への断固たる反撃」と表明した上で、米国と台湾の連携を警戒している。

米海軍第7艦隊は1月5日、中国の軍事活動の頻繁化に対抗するため、ミサイル駆逐艦「チャン・フー」が台湾海峡を通過したと発表した。これに対し台湾国防部は翌6日の記者会見で「台湾周辺海空域の動向は把握しており、いずれも正常だった」と説明した。米海軍は今回の航行について「どの沿岸国の領海にも属さない海路を通過した」とし「今回の通過は米国の自由で開かれたインド太平洋地域への約束を示すものだ」と、中国へのけん制を強調した。

一方、台湾でも1月6日、嘉義県の嘉義空港で、敵の侵入を想定した軍事演習を実施している。台湾最高の研究機関である「国家中山科学研究院」が独自開発した無人ヘリコプターがこの演習で投入された。陸軍部隊が敵への反撃の命令を受け、攻撃の準備や目標の奪還などが実戦され、無人機の投入は、ウクライナ戦争の経験から無人機のパフォーマンスは世界の注目を集めているという。

なお、台湾や日本への有事に備える東部戦区の司令部は、江蘇省南京市に所在し、中国の東南部を管轄している。