台湾の蘇貞昌行政院長は1月19日、台湾総統府で蔡英文総統と面会した後、自らのSNSを更新し「総統が新たな局面を展開できるよう閣僚全体を率いて総辞職する」と発し、内閣総辞職する意向を明らかにした。昨年11月26日に投開票した統一地方選で、与党民進党の大敗を受けて蘇氏は辞意を表明していたが、蔡総統に慰留されていた。
蘇氏はSNSで「新年度の年度予算案が可決されるとすぐ内閣総辞職をする」とし、その後予算案が1月19日に可決されたため、再び辞職の意向を伝えた。
蔡英文総統はSNSで「この4年間蘇院長と協力し合って政権の運営をやってきた。国家がどんな困難に遭っても蘇院長はいつも支えてくれて峠を越えてきた」と蘇院長を評価しながらも「旧正月において内閣の調整をいち早く行い、国民に伝える」と述べた。
蘇氏は2019年1月14日に行政院長に就任。アフリカ豚熱の危機を克服して蔡総統の再選に貢献。新型コロナウイルスの大流行においては「マスク管理体制」や厳しい水際対策を実施し、早期の感染拡大を回避した。また行政院の公式SNSの管理を若い世代に起用し、政府の政策宣伝が新風を吹き込み、日本でも一時話題になった。