台湾総統府は1月31日、蔡英文総統が新閣僚就任の宣誓式典を執り行ったと発表した。陳建仁新任行政院長は、ほかの新閣僚らを率いて宣誓の言葉を述べ、蔡総統が一人ひとりと挨拶を交わしたという。
昨年11月26日に投開票した統一地方選の大敗を受け、蘇貞昌行政院長は責任を取る形で辞任の意向を蔡総統に伝えたが、蔡総統の慰留で2023年の年度予算案が可決されるまで留任した。その後、予算案が1月19日に可決され、蘇院長は同日に総統府に赴き、再び内閣総辞職の意向を伝えた。
蔡英文総統はSNSで「この4年間蘇院長と協力し合って政権の運営をやってきた。国家がどんな困難に遭っても蘇院長はいつも支えてくれて峠を越えてきた」と蘇院長を評価。「旧正月において内閣の調整をいち早く行い、国民に伝える」と述べた。
台湾メディアによると、蔡英文総統は行政院長の人選について、陳建仁元副総統の意向を踏まえた上で陳氏の同意を得ると、すぐ頼清徳副総統と蘇貞昌行政院長に伝えて両人の支持をもらった、と報じた。
先の人選の公表に伴う記者会見で陳氏は「これは私の最後の公職」と述べ「蘇院長の施政を従って蔡総統を支える」と誓った。
陳氏は台湾で有名な公衆衛生学者。2003年SARS流行の際に台湾衛生署の署長を務め、強いリーダーシップで感染拡大防止に尽力した。2016年総統選で蔡英文から副総統候補に指名され、台湾史上初の無党籍副総統になった。副総統退任後は蔡総統の推薦により民進党に加入している。