中国軍が台湾周辺で軍事演習

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蔡英文総統が中国軍の情報を把握している(写真:蔡英文SNS)

中国軍の台湾方面を管轄する「東部戦区」は4月8日、台湾海峡や台湾島の北部、南部、東部の海空域で4月8から10日の3日間、戦闘準備の警戒パトロール及び軍事演習を行うと発表した。台米関係のけん制のためと見られる。

ある台湾空軍パイロットの臂章が台湾で話題になっている(写真:中央社)

台湾国防部は同日夜、台湾海峡周辺での軍事演習を始めた中国軍の動きについて、現地時間午後4時までに「殲10」戦闘機や「轟6K」爆撃機、「空警500」早期警戒機など軍用機延べ71機、艦艇延べ9隻の活動が確認されたと発表した。そのうち延べ45機が両岸事実上の境界線となる「海峡中間線」を台湾側に越え、台湾南西の防空識別圏(ADIZ)に入ったりしたという。

中国のミサイル部隊を警戒している台湾部隊(写真:中央社)

また同部は、最も注目される中国軍のミサイル部隊の動向について「わが軍の防空部隊は高い警戒レベルを保っており、中国側の動きを細かく把握している」と発した。具体的な対応については「空軍の防空部隊の警戒を強化させ、対空砲部隊が35ミリ高射機関砲などで領空の安全を24時間体制で守っている」と説明した。

中国軍機による台湾側のADIZ侵入が現在続いている。同部は同10日、同日午前6時までの24時間に中国の軍用機延べ70機の中、35機がADIZに侵入したと発表。さらに、台湾周辺の海域で軍艦延べ11隻が確認された、と発表した。 台湾外交部(呉釗燮部長)は「総統が米国経由で国交国を訪問するのは慣例だ。中国による軍事的脅威は役に立たず、台湾人の不快感を募らせるだけ」と語気を強め反発した。

呉釗燮外交部長が中国を非難(写真:中央社)

一方、蔡英文総統はこのほど、米国経由で中米グアテマラ、ベリーズを国事訪問。復路でロサンゼルスに立ち寄り、米下院議長マッカーシー氏を始め米超党派議員団と会見した。中国軍は昨年8月、当時の米下院議長だったペロシ氏の台湾訪問後にも台湾周辺で大規模な軍事演習を展開し、台湾周辺海域に弾道ミサイルを発射した。そのうち5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。