戒厳時代に国民党政権が行っていた政治的迫害「白色テロ」の女性政治犯の物語を描いた「流麻溝十五号」が4月12日、東京で試写された。映画製作を担当した姚文智前立法委員は「同作は台湾の物語を次世代や世界に伝えるためのもので、非常に大切なことだと考えている」と述べた。
また姚氏は「台湾の歴史をテーマにした映画はまだ少ない。『228事件』を描いた名作『悲情城市』は、すでに33年前の映画だ」とした上で「最も影響力のある映像文化を通じて国家全体の文化に対する意識、価値観に対するアイデンティティーを作る必要がある」との考えを示した。
試写会に顔を揃えた謝長廷駐日代表は挨拶で「この作品は初めて白色テロにおける女性被害者を描写する作品で、とても感動だった」とし「日本の皆さんに、台湾人はどのような苦難を経て民主化を成功したのかを理解してもらいたい」と期待を寄せている。
試写会の結果について姚氏は「大阪での試写会では、多くの日本人が泣いていた。これは自由や人権、命に対する思いは世界共通なのだ」と振り返り、日本での上映日に関して「来年の春に公開予定」と述べた。
台湾の戒厳令解除の35周年の記念作品として上映された「流麻溝十五号」。1950年代に緑島の刑務所に収容され、思想の再教育を受けた女性政治犯たちの口述記録などをまとめた書籍を基づいた作品で「流麻溝十五号」とは緑島に拘禁された政治犯に与えられた戸籍所在地のこと。