日本統治時代に嘉南大圳の建設を貢献した水利技術者八田與一さんの逝去81周年を向け、烏山頭ダムで記念イベントが開催された。頼清徳副総統や黄偉哲台南市長、八田與一の孫・八田修一さんなどが出席した。
頼清徳副総統は挨拶で「私たち台湾人は、心から八田與一さんのことを感謝している。これからも烏山頭ダムが世代や国境を超えて団結すれば、地域の平和は必ず実現できると信じている」と述べた。また台湾と日本の関係について「まるで家族のような感情だ」とし「日台友情をさらに深化していく」と期待を寄せている。
八田與一の出身地、石川県加賀市の宮本陸市長も挨拶に立ち「日本にとって台湾の安全は必要なもの。台湾がいなければ日本も存在できないが、日本がいなければ台湾も存在できないだろう」とし、日台関係の重要性を改めて示した。
また黄偉哲台南市長は、八田修一さんに自分の祖父が八田與一に建てられた水利施設で働いた写真を贈呈し「八田さんのおかげで、台湾の水利施設の発展が更なる飛躍を実現できた」と評価した。
台湾の中で広い面積をもっている嘉南平野。日本統治時代までは灌漑設備が不十分であるために、この地域にある15万ヘクタールほどある田畑は常に旱災の危険にさらされていた。八田與一による嘉南大圳の整備を通じ、嘉南平野は現代に至っても台湾最大な農業地域になっているわけだ。