中国の呉江浩駐日大使が4月28日、日本記者クラブで開いた記者会見で「『台湾有事は日本有事』は日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」との発言を受け、台湾外交部は5月1日「事実を顧みず、白黒をねじ曲げて台湾と日本を脅迫する発言」と非難した。
3月に着任した呉氏が当時、記者団に日中関係の改善に意欲を示したが、28日の記者会見では強硬な態度を取っており「米国が日中関係に影響を与える最大の要因である」との認識を示し、日台関係のみならず日米関係にもけん制した。また半導体産業における中国へのデカップリングについては「(日本が)同調すれば日本の半導体産業の未来も失うことになる」と恫喝した。
呉氏の発言を巡り、台湾外交部は報道資料で「台湾と日本は共に自由民主主義陣営の国であり、双方は共通の価値観や理念に基づいて緊密で友好的なパートナー関係を構築している」とした。また同部は「台湾と日本は共に中国の軍事拡張の脅威に直面していることで『台湾有事は日本有事』という考えはこの上なく明確でシンプルな事実だ」と強調した。
同部は最後に「台湾(中華民国)と中華人民共和国は互いに隷属せず、中華人民共和国が台湾を統治したことがないというのは国際社会公認の事実で、台湾海峡の長年の現状だ」と台湾の立場を改めて表明した。