【台湾ニュース】中枢神経抑制薬の投与や体罰の容疑で幼稚園の許可剥奪

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侯友宜新北市長が謝罪(写真:中央社)

台湾新北市の幼稚園でこのほど、園長らが園児に対し、中枢神経抑制薬などのバルビツール酸系薬剤を飲ませていた疑いがあることがわかった。同市教育局は6月8日、検査を受けた園児28人のうち8人から薬物が検出されたと明らかにした。台湾検察当局は、傷害罪や未成年者の健全な発育を妨げた罪などの容疑があるとして捜査を進めている。

事態は5月14日、保護者の3人が園児が今年2月から4月までの期間に教諭から薬剤を飲まされたり、体罰を受けたりしたことを市警に通報した事で判明した。台湾メディアによると、検査の結果、複数のクラスに所属する園児から薬物が検出され、園長の子供も含まれていたという。

医療の専門家はバルビツール酸系薬剤について「症状が重いてんかんの治療薬や手術の麻酔薬として使われる場合が多い」とし「子供に与えると強い眠気のほか、呼吸困難を引き起こす可能性もあるため、命の危険がある」と指摘した。

これを受けて検察は6月8日、園長や教諭ら5人を取り調べた。同市教育局は「幼児教育に関する法律に違反した」として幼稚園の設立許可を取り消したほか、15万NTDの過料を科すと明らかにした。園児の転園についても支援する方針を示した。

同市の侯友宜市長も同8日、国立政治大学で講演会を開いた際に、報道陣に「幼児がこんなひどい目に遭ってしまい大変申し訳ない」と述べ、二度頭を下げて謝罪した。同氏は5月、最大野党国民党の次期総統選の公認候補に選出された人物。