台湾屏東県のゴルフ用品工場で9月22日夜に火災と爆発が起きた。同県政府消防局によると、同24日朝までに、火災発生から約28時間後の23日午後9時56分に鎮火したと発表した。
救援活動で爆発に遭って一時意識不明となっていた消防小隊長が同23日に意識を取り戻し、関係者によると「消火活動を行う前に爆発はすでにあった」と話したという。
消防小隊長によると、22日午後5時55分に現場に到着した際、工場側から化学物質の危険有害性情報が記載された安全データシートが渡され、粉末消火剤の使用が必要なことを確認。同59分に消火器を持ち建物内に入ったが、火の勢いが強く、煙が充満していたため、現場の指揮者が即時避難を命じた直後、爆発があったという。
県消防局は「22日午後5時31分に火災の通報が入り、消防隊は12分以内に現場に到着し消火活動を準備した。しかし同6時9分に1回目の爆発により、建物が崩れ、多くの消防隊員や作業員が閉じ込められた、その後同28分に2回目の爆発があった」と説明した。同局の鄭建徳秘書は「爆発が起きた場所はゴルフボールの生産ラインだ」との見方を示し「ゴムや薬剤、塗料などの可燃性物質が多くあった」と語った。
火災が起きた後、同県の周春米県長と台湾内政部の林右昌部長が現場に赴き、消火活動の状況と死傷者の見舞いをし、蔡英文総統も「力を尽くして救援活動をサポートする」と命じた。
なお、県政府の統計によると、病院に搬送された死傷者は100人以上を超え、死者は殉職した消防士4人を含む9人となった。