台湾の研究機関、高齢・健康整合研究センターを構成する台北栄民総医院、国立陽明交通大学、国家衛生研究院が10月18日、日本の国立長寿医療研究センター(愛知県)、東京都健康長寿医療センター(東京都)と高齢者医療研究に関わる包括的連携協定を締結した。老年医学や老化科学の研究での連携を通じ、最先端の研究成果を地域社会に還元するとともに、台日における高齢者の健康福祉の向上を図る。
締結式が東京都健康長寿医療センターで行われ、台湾からも3機関の代表者が出席した。
栄民総医院の陳威明院長は挨拶で「アジアにおいて各国の高齢化程度が異なっているが、日本と台湾の高齢化が最も厳しい」とし「双方は高い研究能力や資源を持ち、研究結果を期待している」と述べた。
陽明交通大の林奇宏学長は同校が最先端のデジタル技術を使って高齢化研究を進めていると指摘。「台湾のデジタル技術を活かし、研究の結果を世界中に広げていく」と期待を示した。
国家衛生研究院の司徒恵康院長は「国衛院が台湾の高齢化に向け『高齢医学と健康福祉研究センター』を成立した。台湾政府が高齢化を重視する姿勢を示した重大な一歩だ」とコメントした。
台北栄民総医院が同日発表した報道資料によると、台日間での老年医学研究の協力は2015年に始まった。今回は新たに東京都健康長寿医療センターが加わり、研究の幅がさらに広がる。また今回の協定の下、人材交流や学生交換を強化するほか、双方が共に関心を抱く課題について研究費を申請し推進していくとした。