台湾次期総統選・立法委員選 野党が共闘か

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柯文哲氏(左)と侯友宜氏(右)が合流か(写真:中央社)

来年1月13日に控える台湾次期総統選・立法委員選を巡り、台湾最大野党、国民党と第二野党の民衆党の間には共闘について、論争が続いている。

総統選ペア一本化に難航が続く

10月30日に発表された「美麗島電子報民意調査」による総統選候補の支持率では、与党民進党の頼清徳副総統が33.7%、国民党の侯友宜新北市長が24.6%、民衆党の柯文哲前台北市長が23.9%となり、頼氏は前月同調査と比べて6.3%の支持率を失った一方、侯氏と柯氏にはそれぞれ2.2%と2.3%の増長が見えた。

侯友宜氏が10月23日、自身を副総統候補として立候補することも受け入れると表明(写真:中央社)

また同調査は、野党共闘の形で民意調査を実施した結果、「侯柯配」(侯友宜氏が総統候補になる場合)や「柯侯配」(柯文哲氏が総統候補になる場合)がいずれも与党候補に勝てることがわかった。

こうした経緯を背景に、国民党と民衆党両党は10月から野党共闘の目線から政党間協議を行ってきたが、どちらが総統選候補になるのかについて合意できず、互いに「誠意は持っていない」と指摘している。

この状況を打破するか、侯友宜氏は10月23日、台湾大手新聞紙の取材に対し「総統候補としての出馬にこだわらない。柯氏とペアを組む場合で、柯氏を総統候補、自身を副総統候補として立候補することも受け入れる」との立場を示した。

一方で、同氏は「共闘の大原則は両氏の名前が投票用紙にペアとして書かれることだ。10月25日までの回答を民衆党側に求める」と要求した。

これに対し、柯文哲氏は翌24日に「まるで結婚を強要するようなものだ」と不快感をあらわにした。さらに柯氏は「民衆党の目標は選挙に勝ち、政権交代を達成すること」と説明した上で「国民党の要求は『最後通告』を出すやり方だ。大政党が小政党に圧力をかけているような感覚を覚えた」と批判した。

立法委員選での議席最大化で一致

総統選ペアが難航している一方、両党が10月30日午前に台北市内で記者会見を開き、立法委員選で共に努力し、立法院での議席数の最大化を目指すことで一致した。国民党の朱立倫党主席、民衆党の柯文哲党主席が共に会見に顔を出し、共同声明を発表した。

両党の党首が会談(写真:中央社)

共同声明には総統選、立法委員選での協力に言及したほか「台湾の第3次民主主義改革を共に推進し、1党支配、勝者総取りの民主主義独裁を回避し、民主主義をさらに深化させる」との内容や、台湾と中国の関係について「対等、尊厳、友好的」の原則での対話の再開なども盛り込まれた。

また現行の憲政体制における国会の機能強化を提言し、総統は立法院で国情報告を行うべきだと主張した。中華民国憲法追加修正条文には「立法院は毎年の開会時、総統から国情報告を聴取することができる」と明記されているが、これまで総統の立法院での国情報告が実現したことはない。

なお、同声明には、総統選に向けた候補者一本化に関する内容が盛り込まれなかった。総統選の立候補届出の受理時間は11月20日から同24日まで。