PIF制度開始で台湾化粧品業界に変革

0

PIF制度を導入し今年7月より運用開始

TFDAはすでに「化粧品の品質向上」「消費者の安全確保」「企業の自主管理強化」を目的に2019年5月に「化粧品產品資訊檔案管理辦法」(化粧品製品情報ファイル管理辦法)を公布。台湾の化粧品管理について将来、PIF制度を導入することを発表していた。

そのPIF制度が今年7月1日より段階的に実施される。「特定用途化粧品」である日焼け止め、美白化粧品、パーマ剤、ヘアーカラー剤など、特別な用途成分を一定量使用した化粧品がその対象だ。以降、2025年7月1日より第2段階として乳幼児向け、唇や目に使用の化粧品、非医療用の歯磨き粉とマウスウォッシュ製品が加わる。最終段階の2026年7月1日からは、台湾で販売される全ての化粧品にPIF作成が義務付けられる。

PIF取得は厳格 違反には罰金刑も

PIFは、製品情報ファイル(Product Information File)の略。製品に関する全ての情報を収集したファイルである。この制度の導入以降、台湾で化粧品を販売するには、PIF作成が必須の条件となる。違反した場合は1万~100万元(約4,7万~470万円)の罰金が科せられる。

PIFの制度自体はEU及びASEANで既に実施されているが、台湾はEUのシステムを参考に独自規定を設定している。他国で作成したPIFを取得しても、台湾で販売するには台湾の規定に準じたPIFを作成する必要がある。

しかし、PIF取得は容易ではない。必要な資料は膨大でしかも詳細だ。化粧品の全成分、製造工程、製造工場の品質基準の証明書、そして各成分の安全性試験データをはじめとする多くの試験データ、さらに詳細な説明と証明が求められる。資料は繁体字中国語もしくは英語で表記、作成する必要がある。

審査過程は、安全評価者(SA)と呼ばれる、薬学、毒物学、皮膚医学、医学部などの大学卒業資格を持ち、TFDAが認定した履修コースを修了した者が行う。専門知識が無ければ到底取得すること自体が困難でもある。

PIF制度の開始で業界の適正化へ

PIF制度の導入により、台湾の化粧品業界の今後は変革が求められる。成分不明や品質の低い化粧品は市場から淘汰されると見られる。消費者はより安全な製品を手にすることが可能となる。企業側も、自社の製品の安全性が担保できブランドイメージを向上させる絶好の機会でもある。

その一方で、制度に対応でなければ、コストの増大や業務負担の重さから市場からの撤退を余儀なくされる。業界が適正化される一方で再編や競争環境の変化を引き起こす可能性もある。

PIF制度導入の公布から5年経過し、いよいよ始まるPIF制度。台湾化粧品業界にどの様な変革が起きるのか、その動向に目が離せない。  なお、台湾化粧品のPIF申請は「株式会社CML」で実施している。取得まで丁寧に対応するという。

詳細は株式会社CML台湾PIF部
https://reurl.cc/MOmN5v
住所:〒171-0021東京都豊島区西池袋4-19-4
TEL:03-5917-0688
FAX:03-5917-0686