台湾企業三社が熊本県知事表敬で意見交換

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記念撮影

台湾政府から出資されている台湾の金融機関、合作金庫創業投資股有限公司(袁中越CEO=本社台湾台北市、台湾合庫ベンチャー)、台湾の医療機器企業の衡昱電商股有限公司(陳振興会長=医学博士、本社台湾台北市)及び熊本に本社を持つ台湾の不動産企業京本(錢妙玲取締役=熊本県合志市)は8月5日、台湾と熊本の新たなベンチャー投資の強化を図るため合同で熊本県庁を訪れ、木村敬知事を表敬訪問し、意見交換した。

 台湾半導体最大手のTSMCが熊本に第一、第二工場を立ち上げ、今後、いわゆるハイテク産業の活性化が実現する熊本県。経済交流はもとより、人材、各種の産業交流も活況を呈している。発展とともに様々なレベルでの交流が深まる昨今、台湾と熊本県の交流促進に向けた意見交換が実施された。

 袁中越CEOは「台湾政府が出資する8つの国庫銀行の一つが台湾合庫ベンチャーです。一般的な銀行投資は、主に成熟した産業を対象にしますが、弊社はAI、バイオテクノロジー、半導体など新しい産業への投資に注視しております。今回の熊本訪問は、台湾の熊本との協力を深めるとともに、熊本に新たに「インキュベーター」を設立し、新産業の育成する機関として、投資の必要性があるかを調査、そしてマーケティング兼ねての訪問です」と説明した。

記念品の交換

 木村知事は「熊本県は現在、新産業の育成を重視しており、熊本大学にもインキュベーターのセンターがあります。設立を示唆するファンドの対象としては参考になる機関であると思います。日本は一般的に、企業に投資するうえで慎重論が根強いです。しかし、実績のある台湾の投資機関からの協力を得る事ができれば、熊本の持つ多くの経験、実績そして知見などは存分に提供できます」と述べた。また「現在、注目されている産業は半導体ですが、熊本県は元来、医療、薬剤、農業などの産業分野に強く、力を注いでおりまして、一定の成果を上げております。半導体産業分野など、新たな産業分野で台湾とより融合する機運が高まれば、実用産業であろうと農業のデジタルトランスフォーメーションであろうと、県庁は県内の大学からの協力支援を得ることもできます。新たな投資や支援の取り組みに期待します」と述べた。

表敬訪問の様子

 これを受けて袁CEOは「木村知事の考えは台湾合庫ベンチャーの考えと似ています。今回の訪問はさらなる実現に向けた意見交換できました。今後、木村知事が台湾お越しいただける事を歓迎し、さらなる実現に向けた機会を作りましょう」応えた。 木村知事も「今後は頻繁に台湾を訪れたい。飛行機で2時間の距離です。県の金融業界そして学校を率いて台湾を訪問したいです」と前向きな姿勢を見せていた。