丹頂鶴の撮影中に奇跡の出会い、30年ぶりの希少種に感動
台湾最大の野鳥撮影団体「フォルモサ野鳥保育協会」と「バードフォトクラブ」のメンバーが、北海道鶴居村で丹頂鶴の撮影を行う中、偶然にも希少な「銀ギツネ」の姿を捉えた。地元住民も「30年間でほとんど見かけない」と驚くほどの珍しい発見に、撮影団は歓喜した。

撮影団は「バードフォトクラブ」の黄蜀婷会長が率い、20名以上の写真家とともに北海道鶴居村を訪問。黄氏によると、10日午後5時17分ごろ、音羽橋付近で黒っぽい毛並みの特別なキツネを撮影した。その珍しい姿に驚いた団員たちは、現地の専門家・若狭政信氏に確認したところ、これが「銀ギツネ」であることが判明した。北海道でも30年以上ほとんど目撃例がないとされ、メンバーは「人生で初めて見た」と興奮を隠せなかったという。

また、黄氏は、撮影の主目的である丹頂鶴について「日本最大級の野鳥で、体長は約140センチ、翼を広げると約240センチにもなる。全身が白い羽毛に覆われ、頭頂部の鮮やかな赤色が特徴で、『丹頂』の名もここに由来する」と解説。
丹頂鶴は湿地や河川、湖沼などに生息するが、開発や乱獲によって個体数が激減し、一時は絶滅したと考えられていた。しかし、大正時代に北海道釧路地域で再発見され、地元住民の保護活動が実を結び、現在では1,900羽以上にまで回復しているという。

今回の訪問について、黄氏は「鶴居村の豊かな自然環境と野生動物の宝庫ぶりに感銘を受けた。丹頂鶴の撮影だけでなく、希少な銀ギツネとの奇跡的な出会いもあり、まさに一生忘れられない経験になった」と興奮を語った。
さらに、今回の撮影を企画した鶴悠旅行社への感謝を述べるとともに、今後は鶴居村と協力しながら、台湾と日本の友好促進や生態系保護、エコツーリズムの発展に貢献したいとの意向を示した。撮影団は、今回の貴重な記録を通じて、日本と台湾の交流の一助になればと願っている。