台湾経済部は4月21日、台湾の半導体企業などの日本進出を支援する「台湾貿易投資センター」を福岡商工会議所(福岡市博多区)内に設置した。日本と連携する事を目的に半導体のサプライチェーン(供給網)の強化を図るものと見られる。この開設はチェコのプラハに続き世界2カ所目となる。

開所式が同日、福岡市内のホテルで開かれ、福岡県(服部誠太郎知事)や佐賀県(山口祥義知事)をはじめ、日台の関係者ら約250人が出席した。

経済部の江文若経済部政務次長は開所式の挨拶で「九州は日本の半導体産業の重要拠点です。貿易投資センターが日台の戦略的地位をより強固にするための触媒になる」と述べた。

台湾貿易センターの黄志芳会長は「一番は投資の支援です。次に台湾企業と日本企業のマッチングの機会を提供したい」と述べた。なお、台湾貿易投資センターは「半導体メーカーのTSMCの熊本進出をきっかけに活発となっている日本と台湾の企業の連携を支援するほか、関連する業界の人材交流や育成支援などを行う予定です」とコメントした。

福岡県の服部知事は「相互投資、貿易の促進、幅広い分野で連携を進めたい」と述べ「台湾企業の進出を心より期待する」と歓迎した。

センターの開設は、半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出をきっかけに、活発化している九州地域向けに、日本と台湾の企業の連携を支援するのが狙い。台湾との産業連携を進める事で台湾半導体企業の九州進出をさらに後押しする。また、人工知能(AI)やドローンなどの先端産業の振興にも力を入れる。加えて、関連する業界の人材交流や育成支援なども実施する。