大阪・関西万博が現在、注目を集めている。その中で、高雄市政府観光局(高閔琳局長)は4月22日、ウェスティンホテル大阪にて高雄国際観光プロモーションイベントを開催した。日本の旅行市場向けに、高雄を新たなトレンドワードにする事が目的だ。
イベントは、日本の観光業界の要人やインフルエンサーを多数招待。来場者は関西地区の航空、旅行、メディア関係者など100人を超えるなど盛り上がりを見せた。

高局長は「このたび大阪でプロモーションを行うため、高雄の観光事業者や農業局の代表者約60人による「高雄国際観光チーム」を結成しました。BtoBの商談会や没入型の体験イベントなどを通じて、山・海・川・港が織りなす壮大な景観や、台湾観光地ランキングで2年連続No.1に輝く国際都市・高雄の魅力、そして高雄の人々のエネルギッシュで親しみやすい人柄を、関西の旅行事業者やメディアの皆さまに存分に体感していただきました」と話し「日本の皆さまにも是非友人やご家族と一緒に高雄を訪れ、「高雄界隈」になっていただきたい」と呼びかけた。

高雄市は2024年に「第15回日台観光サミット」を成功裏に開催。参加した日台双方の関係者からは「過去15年で最高の内容と高く評価されました。今回のプロモーションのため、高雄の観光事業者や農業局の職員と共に、総勢60人以上の「高雄国際観光チーム」を結成して日本を訪れました。そして、日本の流行語「界隈」をマーケティングのテーマとして掲げ、高雄観光が日本のZ世代の旅行コミュニティ内で話題になるよう取り組んでいます。「界隈」という言葉が持つ「共通の趣味・興味を持つ仲間」というコンセプトを伝え、日本市場への浸透を図り、日本の旅行者が趣味・興味を共有できる旅先の第一候補として、高雄を定着させていきたい」と強調した。

このほか、プロモーションイベントでは、高雄への個人旅行、小グループ旅行、教育・修学旅行、インセンティブ旅行、シニア層向け旅行、MICE(会議・研修・コンベンション・展示会)、クルーズ旅行などの多彩なプランも紹介され、高雄の優良観光事業者とのBtoB商談会も実施した。
高局長は「積極的なマーケティングを展開して、「高雄界隈」というイメージを確立し、日本の旅行事業者や旅行者の皆様にSNSを通じて高雄観光の魅力を共有していただく事で、ネット上で話題性を高め、日本の旅行者の「高雄仲間」を増やしていきたい」と付け加えた。

なお、高雄は2年連続で台湾の中で最も観光客数が多い都市となり、2024年には延べ6,923万人を突破。観光客数満足度ともに台湾No.1の評価を獲得しているほか、旅行予約サイト・Agodaの「アジア太平洋地域リーズナブルに楽しめる宿泊先」、旅先体験予約サイト・Klookの「世界の新興旅行目的地」に台湾で唯一選出された都市でもある。交通の利便性やグルメ、宿泊施設のコストパフォーマンスの高さに加え、多彩なイベントやフェスティバル、コンサート、国際的港湾都市ならではの観光資源も兼ね備え、海外インセンティブ旅行や文化交流にも絶好の条件が整っている。文化的な歴史街区から活気あふれる最新の商業エリアまで、伝統と現代が融合した景観にも恵まれており、今回のプロモーションをきっかけに、高雄観光が新たな話題として、ここ大阪から広がり始めている。

観光局によると、イベントの会場には長年台湾に在住する日本人旅行作家・小林賢伍氏がサプライズで応援に駆けつけ、高雄東部の旅行体験やその魅力を披露。生活者目線での旅の楽しみ方を共有し「高雄は国際化への歩みを着実に進めており、今後アジアの新たなビジネス・観光拠点となるポテンシャルを秘めている」と高く評価した。さらに、大阪の人気YouTuber「エビリン」も登場。台湾出身のバリンさんと、日本とトルコのハーフである夫のアリンさんが台湾旅行やグルメを大阪弁で紹介する動画を制作し、彼らならではの視点で高雄の意外な見どころを生き生きと紹介。来場者は高雄の温かい人情と文化的な奥深さを感じ取るなど、特に若い世代との距離を縮めることに成功した模様だ。

また、イベントには多くの要人や関係者も来場。参加者からは「印象的な内容で高雄の多様な魅力をより深く知ることができた」との声が相次ぎ、高雄への視察や旅行に対する強い関心が示された。
観光局はさらに、今回のイベントが成功裏に終わった理由として「高雄国際観光チーム」の入念な計画とチームワークの賜物であると説明。高雄市農業局の方啟峰主任秘書も高雄のアグリツーリズムの魅力や特色を紹介し、都市観光と農業が融合した高雄ならではの多様な観光スタイルをアピールしていた。
会場には、高雄市旅行組合、旅館組合、観光協会、観光工場発展協会、民宿発展協会、菓子組合などの業界団体に加え、ホテル・ニッコー高雄(高雄日航酒店)、シティスイーツ(城市商旅)、高雄アホテル(高雄信宗大飯店)、ホテルヨシ高雄(佑煦行旅)、シングルイン(単人房)、UNS B&B(阡陌一舎)、ハマセンホームステイ(哈瑪星濱線民宿)などの有名宿泊施設の代表者などが集結し、質の高い宿泊施設やサービスに関する情報を提供していた。

このほか、志斌食品、得意中華、滷味博物館、紅頂穀創、中外餅舖、Milk17、明星花露水、楽朋、魚社長、大新羊肉などの高雄を代表するグルメやお土産ブランドも勢揃いした。内門の総舗師(野外宴席での調理と企画の統括責任者)の伝統を受け継ぐ国宴レベルの金葉摸油湯をはじめ、小甜心ジャム、水牛ウイスキー、Atti珈琲など、飲食業界の職人たちも参加し、温もりあふれる「高雄の味」を提供していた。さらに、ウェディング産業発展協会や天元生命ケア協会も加わり、高雄の観光・ライフスタイル産業のさらなる市場拡大を図っていた。
観光局はさらに情報を補足し、高雄で2024年に開催された日台観光サミットで双方の観光業界や行政関係者など約200人が一堂に会して意見交換を実施した経緯を説明した。同サミットは好評を博し、高雄ならではの観光スポットや土産物、観光関連商品を効果的にPRする機会となった事を強調した。また、サミットへの参加をきっかけに「日本の事業者が視察団を結成して高雄を訪れ、市場調査や商品開発を行うといった動きにもつながっている」とし、今回の大阪でのイベントでも、これらの事業者が再び参加し、高雄の観光業界との交流・協力を一層深める場となるように期待した。

台湾交通部民航局の統計によると、高雄と大阪(関西国際空港)間は7社の航空会社が毎週片道108便の直行便が運航している。アクセスの利便性と選択肢の豊富さが魅力となっているとしている。こうした中で高雄市は、さらなる海外旅行客の誘致を目指し「2025国際団体旅行客・高雄観光宿泊インセンティブプラン」を発表した。10人以上の海外団体旅行客が高雄市内の宿泊施設に1泊し、指定観光スポットを訪問した場合、人数に応じて最高12,000台湾ドルの補助金を提供(最大2泊まで適用)する。さらに、高雄国際空港を利用して出入国する団体には、1,000台湾ドルが上乗せされる。この取り組みは目下、日本の旅行事業者やメディアからも注目を集めている。
今回、高雄観光プロモーションチームが大阪で開催したイベントは好評を博し、大成功を収めた。台湾と日本の観光交流・協力に新たな1ページが刻まれた。詳細は高雄トラベルネット、高雄観光局公式Facebook、Instagramを参照。