【読者投稿】1月6日、新たに「台日関係協会」会長に就任した謝長廷氏は、就任あいさつの中で、今後は日台関係をより緊密な「共同体」のパートナー関係へと高めていく考えを示した。安全も危機も、繁栄も衰退も共にする「運命を分かち合う関係」を築き、日台交流を次の段階へ引き上げたいという趣旨である。
謝氏はこの直前、日本の天皇陛下から最高位の勲章である「旭日大綬章」を授与されたばかりであり、その発言はNHKをはじめとする日本の主要メディアからも注目を集めた。これは、日本社会においても日台関係のさらなる発展に対する期待が高まっていることを示している。
1972年に日台が国交を断絶した後、台湾は「亜東関係協会」(現在の台湾日本関係協会)を設立し、対日交流の窓口としてきた。しかし長年にわたり、日台交流は形式的なものにとどまり、実質的な進展に乏しく、長く日本に暮らす台湾人にとっては歯がゆい状況が続いていた。
こうした流れが変わり始めたのは、李登輝元総統の時代である。台湾の主体性を強く意識した「台湾本土」人材を日本に派遣するようになり、在日台湾人と政府との距離も縮まり、日台交流に新たな活力が注ぎ込まれた。半世紀にわたる努力の積み重ねが、現在の安定した日台友好関係を形作っている。その中心にいたのが、12年間台湾を率いた李登輝氏と、8年にわたり駐日代表を務めた謝長廷氏である。
両氏はいずれも京都大学出身で、思想と実践を兼ね備えた数少ない「哲学する政治家」と言える存在だ。李登輝氏は西田幾多郎の『善の研究』に影響を受け、謝長廷氏は京都大学法学部で法哲学を学び、「善の循環」という考え方を日台交流の現場で具体的に実践してきた。
一昨年には、元考試院副院長の李逸洋氏が駐日代表に就任した。謙虚で控えめな人柄は日本の政界・官界・市民社会から信頼を得ると同時に、在日台湾人の声にも丁寧に耳を傾けてきた。この1年余り、李氏は日本政界から地方社会まで幅広く足を運び、在日台湾人团体(華僑社会)コミュニティとも頻繁に交流を重ね、その成果は着実に表れている。昨年の東京での双十節行事の規模や、台湾を訪問した日本国会議員の人数はいずれも過去最多を記録した。
さらに象徴的なのは、高市早苗首相が国会答弁で「台湾事、日本の存立危機になり得る」と明言したことである。この発言は、日台外交史における大きな転換点といえる。
一方で、中国による対日外交は強圧的で混乱を極めており、威圧的な発言や恫喝が相次いでいる。駐日外交官が日本の首相に対して過激な言動を行ったこともあり、こうした姿勢は日台が築いてきた相互信頼と尊重の関係とは対照的で、日本社会は冷静にその違いを見極めている
中国が台湾への軍事的圧力や日本への牽制を強めるほど、かえって日台の結束は強まっている。こうした状況の中で、台湾は対日関係を二本立てで進めている。謝長廷氏が台湾側で全体を統括し、李逸洋氏が日本の第一線で地道に関係を深めるという、内外分担の体制である。
加えて、高市首相は「台湾有事は日本有事」との認識を国会で明確に示しており、日台関係は価値観の共有を超え、具体的な協力段階へと進んでいる。「日台運命共同体」はもはやスローガンではなく、現実に動き始めている。
日台関係の深化は、近隣国同士が信頼を基盤に協力するモデルとして国際社会の参考となるだけでなく、東アジアの秩序や民主主義陣営の将来にも大きな影響を与えることになるだろう。
2026年1月12日
医療法人医院理事長 大田一博敬具


















































