【読者投稿】1月23日、北日本は今冬最大級の大雪に見舞われた。そのさなか、東京の政界でも大きな波紋が広がった。高市早苗首相は通常国会の開会と同時に、衆議院の解散を電撃的に表明したのである。
日本の憲政史を振り返ると、戦後これまで衆議院解散は26回行われてきたが、国会開会当日に解散する、いわゆる「冒頭解散」はわずか4例にすぎない。
しかも、いずれも与党が国会で安定多数を握る「与党優位」の状況下で行われ、予算審議前という政治的に敏感な時期は避けられてきた。
そうした前例と比べても、少数与党の立場にある高市首相が、1月という時期に解散へ踏み切った判断は、きわめて異例だと言える。
例年、2月から3月は国会で予算審議が本格化する重要な時期であり、歴代首相は政局の混乱を避けるため、慎重な対応を取るのが通例だった。
しかし高市首相は、あえて真冬に選挙戦へ突入する道を選んだ。このため、今回の決断は「厳冬の短期決戦」とも評されている。
実際、高市首相は就任からわずか3か月で、数々の記録を更新してきた。
日本初の女性首相であることに加え、前例のない1月の冒頭解散、解散から投票日まで16日間という最短の選挙期間もその一つだ。株式市場は高値を更新し、内閣支持率は3か月連続でおおむね7割前後を維持、若年層の支持は9割近いとも言われる。
さらに短期間のうちに多くの国際会議や首脳会談に出席し、その機動力ある外交姿勢は、従来の日本政治とは異なる印象を与えている。
高市首相は就任当初から「日本のために働き続ける」と語ってきたが、その言葉通り、行動力は際立っている。
ただし、個人の人気や高い支持率だけで政治が動くわけではない。日本は議会制民主主義の国であり、政治権力は制度に基づいて行使される。
独裁体制のように、指導者の意思だけで物事が決まるわけではない。少数与党という国会構造が続く限り、高市首相の政策遂行には自ずと限界が生じる。
こうした現実の中で、早い段階で改めて国民の判断を仰ぐことは、高市首相にとって避けられない選択だったとも言える。
国際舞台での積極的な活動と高水準の支持率は、彼女にとって大きな政治的資本となっている。
一見すれば大きなリスクを伴う「政治的賭け」に見えるが、実際には熟慮の末の政治判断であり、その正当性を選挙によって国民に委ねるという選択でもある。
高市首相自身も、今回の解散の目的は「高市早苗が首相にふさわしいかどうかを国民に判断してもらうこと」だと率直に語り、与党が過半数を獲得できるかどうかに、自らの進退をかけている。
とりわけ注目されるのは、自民党の今回の選挙公約に「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明確に盛り込まれている点だ。
実際、与野党が対立する現在の政治構造において、経済政策をめぐる違いはそれほど大きくない。
真の争点は、外交・安全保障、とりわけ「台湾有事」をどう認識し、どう備えるのかという点に集約されつつある。
国会内でこの問題について十分な合意を形成することが難しい以上、高市首相が最終的な判断を国民に委ねるのは、一つの現実的な選択でもある。
今回の衆議院解散は、単なる権力行使というより、日本社会全体に対する制度的な問いかけと言えるだろう。
首相にとっては信任を問う選挙であり、日本の民主主義にとっては、国家の進む方向を選び取る重要な局面となる。
2026年1月27日
大田一博敬具
















































