劉兆玄前行政院長「台大生は椰子の木」

0

~台湾の東大・台湾大学卒業式の祝辞で~
各台湾紙によると、6月9日に行われた台湾大学の卒業式に出席した劉兆玄前行政院長(首相に相当)は、「台湾大学の学生は、まるで椰子の木だ」と比喩した。多くの台大生はこれを聞き、共感したり、身に覚えがあると感じた。この椰子の木の例えとは、自己中心的な意を表す。
 劉前行政院長自身、1965年に台大を卒業、また夫人も台大卒、さらに二世代合わせて14人もの台大卒がいるという、まさに台大一家。劉氏自ら台大とは「普通の関係ではない」と語る。劉氏は台大生を熟知しているのだ。
 台湾大学のある学生は、この間先生からも同じような事を聞いたが、台大生はまるで椰子の木のように自分の事しか考えないだけでなく、落ちた葉で他人を怪我させる。周りのクラスメートをみても椰子の木という表現は間違っていないと話す。また、同大の他の学生は、確かに台大生は自分の事を優先的に考えがち、周囲の人の気持ちはあまり考えない。とし、先輩の劉氏の言葉を聞いて、椰子の木の事を肝に銘じ、将来は人をカバーする大樹となりたいと前向きな姿勢を表した。
 一方、こんな意見も。大学は小さな社会。確かに一部の台大生は、名門大学に入ったことから高い優越感を持っている。だから失敗を受け入れる事は難しいかもしれない。でも、社会では現に多くの台大卒業生が活躍している、と話す。また、同大教職員は、台大生は椰子の木のように高くて格好良いだけではなく、卒業生は台大で満開のツツジのように各分野で多彩に活躍している。それは(椰子の木)は、台大の代表的な植物と言っても合うとし、椰子の木の比喩を逆に良い意味で捉えている。
 劉前行政院長の「台大生は椰子の木」という比喩表現、台湾ではちょっとした反響を呼んでいる。多くの台大生になにかを気がつかせ、そしてプラスに転じることを願う。