【特集】金門島と廈門を結ぶ海運路線、旅行客の人気を集める

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金門島水頭埠頭から、廈門の和平、五通、泉州の石井埠頭を結ぶ航路がある
金門島水頭埠頭から、廈門の和平、五通、泉州の石井埠頭を結ぶ航路がある
金門島水頭埠頭から、廈門の和平、五通、泉州の石井埠頭を結ぶ航路がある[/caption]
 台湾を旅する観光客の間で「ブーム」になりつつある一つの航路がある。それが金門島から廈門を結ぶ海運路線だ。両岸の距離は約10キロ。金門島の水頭埠頭から船で中国大陸へ出入国することは以前、認められていなかったが、4年ほど前から外国人に対しても解禁になった。この路線は、台湾本島を歩き尽くした『台湾通』旅行客の間で現在、人気となっている。
外国人に対しても約4年前から解禁
外国人に対しても約4年前から解禁

 台湾金門島の水頭埠頭から、中国福建省廈門の和平埠頭、五通埠頭、泉州の石井埠頭の3カ所を結ぶ航路がある。金門、廈門、泉州の海運会社が運行。外国人は和平埠頭、五通埠頭を利用することが可能で、主流なのは、金門島に滞在した後、廈門に船で渡るパターンだ。出港時間は時期により異なるが、和平埠頭へは1時間に1便(1日10便前後)。五通埠頭へは1日約5便。国際空港などと同様、出国手続きを行い乗船する。日本人はパスポートさえあれば、中国への入国にビザは不要。入境手続きはスムーズだ。チケットは大人往復で約750元。イミグレーションを通過した後は、免税店で買い物もできる。
金門島から廈門への所要時間は約1時間。廈門に着くと、繁体字と簡体字の違いのみならず、街の雰囲気、口にする食などから、台湾との差異を感じ取れる。金門島の食の名物は「カキの卵焼き」「麺線」「広東粥」が挙げられるが、廈門の名物は「蝦麺」「沙茶麺」などで金門とは一風違う。
国際空港と同様、出国手続きを行い乗船
国際空港と同様、出国手続きを行い乗船

 昨今は台湾と中国の間で、経済活動などでの歩み寄りが進んでいるが、廈門の都心部では台湾から進出して来た企業やレストランの店舗などを目にする。この海運路線は、観光者が台湾から中国へ光景の移り変わりを感じられるルートである。ルートを辿った日本人旅行客は「なかなか体験できない船旅の醍醐味を感じた。台湾海峡を渡っているという実感を味わうことができた」と感想を語った。廈門に滞在した後は、再び、金門島に戻るのが一般的だ。
船内の様子
船内の様子

 ある台湾旅行業界関係者は「台湾を訪れる観光客は年々増えている。台北、高雄という大都市も魅力的だが、この海運路線は個性的な旅の路線を作ってみたい方、台湾リピーターの方へ特にお薦めしたいルートだ」と話している。