蘇花公路土砂崩れで通行止め

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【台北報道】14日午前7時10分頃、台湾東部宜蘭県の蘇花公路115.8キロ地点で、降雨によって緩んだ道路の基盤が45mに渡って崩落する事故が発生した。この影響で15日現在蘇花公路の蘇澳−東澳間で通行止めとなっており、復旧には相当の時間がかかる見通し。

 

台湾東部では東北季節風の影響で11月下旬から連日降雨となり、現場周辺では少なくとも33日以上雨が降り続いていた。交通部公路総局によると13日の時点で現場付近の路面に亀裂が生じているのを確認、作業員を現場に派遣し警戒していた所、14日午前7時頃になって基盤の土砂が45mに渡って崩れたと言う。この影響で蘇花公路は蘇澳−東澳間で通行止めになっている。宜蘭と花蓮を結ぶ唯一の道路交通が寸断され、東部の交通に影響が生じている。公路総局では31日までに小型車限定の相互対面通行による仮復旧を行いたいとしているが、完全復旧には来年の旧正月前まで掛かる見込みだ。この事故によるけが人はいない。

 

蘇花公路は日本統治時代の1932年に臨海公路として建設された台湾東部の宜蘭県と花蓮県を結ぶ唯一の道路であり、同区間は現在でも迂回路が存在していない。しかしながら、地盤が軟弱な断崖絶壁に面する蘇花公路は、以前から大雨の度に土砂崩れによる被害が発生しており、2010年には台風13号による土砂崩れで立ち往生していた車列に、更なる土砂崩れが襲い、中国大陸からのツアー客を乗せた観光バスなど車4台が巻き込まれ、26人の死者、行方不明者を出す惨事が発生した事は記憶に新しい。蘇花公路ではそれ以降も土砂崩れが発生しており、2010年以降では今回で7回目となる。

 

この事故の影響により、宜蘭と花蓮を結ぶ交通手段は鉄道のみとなり、台湾鉄路では列車の増発や増結で対応している他、復興航空は台北−花蓮間の増便を決定。また、農委会農糧署は花蓮県と台東県の青果農家に対し、南回りで北部へ出荷する場合には補助金を給付する事を発表した。しかしながら、この影響による年末年始及び旧正月輸送への影響は避けられない見通しで、東部の重要な産業である観光業にも大きな影響がでそうだ。