~5年振りの好景気でU字型回復基調に~
台湾の中央銀行(日銀に相当)はこのほど、来年度の台湾経済成長率(GDP)が3%以上(中華経済研究院では3.6%、経建会では3.8%と予測)と、年末に底割れした景気が再び上昇するとの予測を明らかにした。
一方、立法院の財政委員会では、行務報告をした中央銀・彭総裁は「来年のGDPは3%以上の伸びが期待でき、2008年の世界金融津波後の回復に比べたらそれほどでもないが、今年の1%未満に比べればずっと経済の回復力は強い」と話した。今年の予測は当初の2.52%から0.98%へと大幅下方修正していた。
また、中華経済研究院の梁啓源董事長は「台湾経済のどん底の状態は終止符を打ち、来年度の成長は3.6%以上に達する。さらに世界経済が回復し、景気がさらに上向けば成長率を上方修正するまでに至るであろう」と推定した。
同研究院の2013年の各季の推定成長率は第一四半期3.06%、第二四半期3.72%、第三四半期3.77%、第四四半期3.81%となっている。また、国泰金融持ち株会社の金融センターの予測では、2013年の台湾GDP成長率は3.88%以上で、3.25%~4.15%の間で推移、場合によっては4%を超す可能性があることを示唆している。
このほか台湾総合研究院によると、実質民間消費額は1.52%(今年比0.4%増)、民間投資は今年の1.74%から5.71%へと外需は今年の-0.49%から4.57%、実質輸入はー2.08%から+2.64%へとそれぞれ回復すると予測している。
ヨーロッパの債務危機が終結して中国への輸出回復やアメリカの量的緩和第四弾の実施による好景気が実現し、これらの要因で政府の経済振興策が民間投資と民間消費へとつながれば、2013年の台湾は景気が安定的に好転すると見込まれている。政府は市民に向け「むやみに悲観的にならず我々の景気政策を信用してほしい」と呼び掛けている。