「どの政党も世界平和の障害にならないように」~謝長廷・前主席が談話~

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淡江大学中国研究所主催の「両岸指導者セミナー」で講演する謝長廷前行政院長
淡江大学中国研究所主催の「両岸指導者セミナー」で講演する謝長廷前行政院長

 中国・海南島ボアオで4月6日から開催されたボアオフォーラム開幕式で中国の習近平国家主席は「中国は平和を望み世界各国と共存し、そして発展していく」と平和を強調した演説を行い、「平和は共同発展の源であり、中国は隣国と友好関係を保ち、お互いの利益のために連携を強化していきたい」と台湾との関係強化を目指す事も語った。これを受け、昨年10月よりに訪中している前行政院長で民進党前主席の謝長廷氏は4月8日、「平和は世の中の原則、各政党は自己の立場を考え、行動、態度を平和の障害にならないように考えて行動すべき」とした。また、最大野党である民進党が与党時代は、中国とは互いに敵視していた仲だったが今後は中国との関係構築をするべきとする談話を発表した。
 また、民進党前主席の許信良氏は「民進党はなるべく早い機会に大陸と対話するべき、両岸が話をする際の交渉権を国民党に独占させないようにするために」との考えを明かした。それに対し謝前行政院長は「今、大陸との対話は国民党だけが行っている。中国に民進党の立場と台湾人の意見を伝えたい。そうしないと台湾はバラバラに崩れてします。与野党は両岸の問題について、意見を一致させるべき、だからこそ「憲法共識」を主張している」と民進党も中国との話し合いのテーブルに着くべき努力していると語った。一方、謝前行政院長の対中政策は「急速に中国に傾斜しすぎ、国民党と同テーブルに着くのは民進党の本来の独立志向の意味がないのでは?」との声も党内から上がっている。
 なお、 謝長廷前行政院長は京都大学大学院に留学経験もあり、日本語堪能。2007年には同大学で、日本語版「台湾関係法」を必要とする「日台関係強化の道」と題した講演を行っている。
                          【写真提供:長工弁公室(謝長廷氏の基金会)】