南投県の地震で死者4人~専門家ら再発の可能性を示唆~

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緑豊かで水がおいしい南投が震源地
緑豊かで水がおいしい南投が震源地

 6月2日に発生した南投県を震源とするマグニチュード6.3の地震による死者が3日午後2時過ぎまでに4人に拡大した。最大震度6を観測した南投を中心に落石などで4人が死亡したほか、19人が負傷、うち3人が重症。  
 台湾では1999年に多くの犠牲者がでた921地震(死者行方不明者2444人)を彷彿させた今回の地震。中央大学地科センターの馬國鳳教授は今回の地震について「921地震とは活断層が違う。今年発生した327地震(震源地は南投県日月潭、死者1人)と今回の602地震は関連性があり、近い将来マグニチュード6以上の地震が再び発生する可能性がある」として警戒を促している。また、中央気象台地震予測センターの郭鎧紋主任は、327地震と602地震は活断層から発するエネルギーが同じタイプと指摘しているが、「地下の活断層は非常に複雑」とするなど、327地震との関連性の言及は避けた。
 経済部によると、今回の地震で台湾全国の工業団地、科学工業園区地区に被害は出ていないという。ただ、地震発生直後に一部のハイテク工業の工場において生産が一時停止。現在、設備の点検を行っている模様。点検で特に問題が発見されなければ再稼働する見通し。また台湾電力では、現在、台湾全国の電力供給に影響はなく、地震直後の一時停電した地区もすべて復旧しているという。
 また経済部水利署では、台湾全国のダムと関連施設を至急点検した結果、特に影響は発生していないという。