「謝謝台湾計画」の木坂麻衣子さんに聞く「台湾」との出会い

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木坂麻衣子さん
木坂麻衣子さん

2011年3月11日に発生した東日本大震災への台湾からの支援に対し、感謝広告を企画。“ひとり総合広告代理店”として奮闘したデザイナー木坂麻衣子さんに顛末を聞いた。

Q台湾とのつながりは。

A当時、生活の中に台湾の要素はゼロでした。最初のきっかけは、2011年4月11日、日本政府は東日本大震災への支援を感謝するメッセージ広告をアメリカ、イギリス、フランス、中国、韓国、ロシアの6カ国7紙に掲載しましたが、義援金が最も多かった台湾を外したこと。ネット上で話題となり、調べると本当のようだと。これは気分悪いだろうな、だったら「意見広告は出せないの」と一言ツイッターでつぶやいたところ、大きな反響がありました。

Q意見広告実現のポイントは。

Aもともと広告会社にいたので、媒体を買って内容を載せて誘導することは個人でもそれほど大変なことではないと。ただ、台湾のメジャー新聞もその広告料金も分かりませんでした。日本の値段なら無理かなと。調べてみると「聯合報」「自由時報」など4大新聞があることが分かり、ここで止めるのもなんだなと思い、友人に連絡して台湾の新聞社につながる人間を探してもらったところ、翌日、「聯合報」の担当者が半ページ100万円でいいよと言っていると連絡を受けました。つまり、1000人なら一人1000円、2000人集まれば一人500円…少し見えて来た。

Qネット上で大きな話題になったが。

A私のツィッターのフォロワーで友人でもある2チャンネルの管理人ひろゆき氏が、たまたまこの件を目にしていて、彼に「台湾への感謝広告を出したい」と伝えると、リツィート(賛同を表明)してくれた上、足りない分は出しますよと言ってくれました。この影響で反応やフォロワー数が爆発的に増えました。この時からここで止めたら恰好悪いなと。

Q感謝広告掲載を支援する寄付金の募集について

Aネットでお金を集めるというと詐欺呼ばわりされました。フリーのデザイナーで無名の人間が100万円集めるわけですから。そこで、「謝謝台湾計画」の専用口座を、賛同者でもある某会計士の協力で開設(三井・住友銀行)し、寄付金のルール(返金はしない・通帳の最終PをUPなど)を新たに公式ブログを立ち上げて説明し、そんななか、台湾独立色が強い「自由時報」で半ページ138万円で感謝広告が可能となり、寄付金が240万円集まったら「聯合報」「自由時報」の2紙に掲載することを決めました。

3-2 二番目 B 感謝広告(聯合報)
感謝広告(聯合報)

Q寄付金と感謝広告の顛末は。

A寄付金の募集(公式ブログ)は4月19日にUPしました。期間は1週間。初日の夕方記帳に行くと「件数が表示できません」。残高をブログにUPできない。翌朝窓口で記帳してもらうと通帳が6冊、計680万円。1日にして目標(240万円)をクリアしました。それで3日目に1000万円を突破し、結局、4月26日までで約1925万円が集まり、2紙に約238万円を支払い、残りはすべて日本赤十字を通じて被災地に寄付しました。その後、口座を閉鎖する一方、感謝広告原稿を自ら制作、2紙とのやり取りにより、5月3日同時掲載(「聯合報」朝刊9面、「自由時報」朝刊5面)が決まったのです。

この感謝広告(「謝謝台湾計画」)が私の台湾への入口となりました。

●プロフィール

大学卒業後、1997年に広告会社に就職。その後イギリスに留学。美術大学の大学院(修士)で舞台美術を学ぶ。2004年、帰国後、フリーのグラフィック・デザイナーとして海外のコンペに応募、各賞を受賞した。2011年感謝広告「謝謝台湾計画」を実現し、有名に。現在、台湾との交流活動に力を入れる。

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