「言葉が通じなくても、心が通じ合えたことを忘れない」子供たちの日台ラグビー交流

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日台キッズラグビー交流の集合写真
日台キッズラグビー交流の集合写真

岩手県釜石市のラグビースクールである釜石シーウェイブスジュニアの子どもたち、コーチ、父兄ら総勢21名は2014年3月20日(木)から23日(日)にかけて、台湾を訪問し「日台キッズラグビー交流2014」を開催した。

 

「日台キッズラグビー交流2014」はスポーツを通じて日本と台湾の人々の幸な生活の獲得に寄与することを目的に設立された任意団体である日台交流実行委員会(代表:向山昌利氏 元ラグビー日本代表)が企画・運営し、台湾側では台湾日本人会体育厚生部会と同部会傘下のラグビー同好会「FIVEWOODS」が主催し、実現したものである。本イベントは、2012年3月に「東日本大震災で被災した子どもたちにひと時でも楽しい時を過ごしてほしい」と願う日本と台湾の多くの人々からの支援により実現した第一回と同様、多くの日本と台湾の団体・個人の方々の支援を頂き実現に至った。第二回目となる今回は復興支援に加えて、日台の友好親善や異文化理解の促進も目的とされ、ラグビー交流だけでなく烏山頭ダム・台南市見学が実施された。

 

一行は21日、台南市の烏山頭ダムを見学。烏山頭ダムは八田與一氏の総指揮の下、1920年から1930年まで10年間かけて総延長16,000KMに及ぶ灌漑用水と併せて、建設されたダム。このダムと灌漑用水が完成してからこの一帯は台湾随一の穀倉地帯となった。日本にあるコンクリートのダムを想像していた子どもたちは、雄大な自然が活かされたダムの景色に圧倒された。子どもたちは「台湾で日本人がダムを造ったことを知って驚いた」、「日本人と台湾人が協力して烏山頭ダムを造ったことがすごいと思った」と話した。

 

釜石シーウェイブスジュニアの子どもたちは「ラグビーを通して友達を作ること。そしてトライを取ること」を目標として試合に臨んだ
釜石シーウェイブスジュニアの子どもたちは「ラグビーを通して友達を作ること。そしてトライを取ること」を目標として試合に臨んだ

また、22日にはメーンイベントである台北市の太平小ラグビーチームと親善試合が行われた。親善試合は、9人制で試合時間10分×3本の計30分。釜石シーウェイブスジュニアの子どもたちは「ラグビーを通して友達を作ること。そしてトライを取ること」を目標として試合に臨んだ。彼らは懸命に楕円のボールを追いかけトライをめざし、そして必死にタックルした結果、30-20で釜石シーウェイブスジュニアの勝利。試合後のファンクションでは、言葉の異なりを越えお互いに肩を組み健闘を称えあった。主将である新田壮吾君は「相手(台湾の選手)が何を言っているのか分からなくて緊張したけど、トライもとれたし、タックルもしっかり決められて自分らしいプレーをすることができたと思う」と述べた。

人種、国籍、言葉の壁を越え交流した日台の子供たち
人種、国籍、言葉の壁を越え交流した日台の子供たち

本イベントは、人種、国籍、言葉といった異なりを越えゆるやかな紐帯を作り出すスポーツの価値が存分に発揮される機会となった他、子どもたちが大好きなスポーツを契機として異文化を知ることは、子どもたちにとって前向きな学びの機会にもなった。子どもたちが「言葉が通じなくても、心が通じ合えたことを忘れない」と述べた本企画を、主催者である台湾日本人会体育厚生部会/FIVEWOODS、ならびに日台交流実行委員会は継続的に実施していきたいと考えている。また、2017年には第3回交流を実施し、2019年台湾の子どもたちを釜石市に招待して交流する予定。

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