馬英九総統は4月12日、宜蘭県蘇澳区漁会が主催する台日漁業協議(亜東関係協会・公益財団法人交流協会との間の漁業秩序の構築に関する取り決め)調印一周年を記念する会合に出席。その中で政府による漁民の権益保護についての成果を説明した。馬総統は具体的な成果として、台日漁業協議発効後の台湾漁船の操業水域面積が約4,530平方キロメートル増加し、双方の協議適用水域の総面積は7万4,000平方キロメートルに達したこと、昨年台湾漁船が同協議水域で捕獲した黒マグロの漁獲量は前年比で約3.6倍増加し売上高は約3倍成長率、そのうち蘇澳地区の黒マグロ漁獲量は台湾全体の黒マグロ漁獲量の4割を占めるようになったこと、台湾の漁民が同水域で日本側の取締りに遭った件数は協議発効前の18件から発効後は1件のみとなっていることなどを挙げている。
また、台日漁業協議の調印に関して馬総統は「台日間では15回もの漁業会談を開催していたが、双方のコンセンサスは得られていなかった。2012年、日本政府が釣魚台列島の国有化を宣言したことにより、中国大陸と日本の間で深刻な争いとなり、当時中国大陸では20あまりの都市で反日運動が展開された。そこで同年8月15日、東シナ海平和イニシアチブを提起し、主権分割はできないが資源は共有できると強調し、平和的な方式で争議を解決することを期待した。この理念は当時の日本政府からの賛同も得られ、台日双方は漁業交渉を展開し、昨年4月10日に台日漁業協議の調印に至ったのだ」と経緯を述べた。
台日漁業協議については、台日漁業委員会会議が定期的に開かれている。最近行われた2014年1月23日~24日の第3回台日漁業委員会会議では、台日漁業協議の適用海域における漁船作業規則について、話し合いを完了し、これを定めた。漁船作業規則の主な項目は、相互連絡体制の確立、漁具の放棄および持ち帰りの禁止、マグロ延縄漁業におけるトラブル回避のためのルールなど。これにより作業方法がそれぞれ異なる台日双方の漁船が、同海域において作業する際のトラブル発生を回避し、作業トラブルが発生した場合にも円滑に解決できるようにしたもので、台日漁業協議が掲げる友好的な互恵協力の精神を具体的に示すものとなった。