TPP・RCEP参加で中枢としての役割に現実味

0
特別シンポジウム「台湾の明日への展望~TPPとRCEP参加の意義に関して~」には100人をこえる聴衆が集まった
特別シンポジウム「台湾の明日への展望~TPPとRCEP参加の意義に関して~」には100人をこえる聴衆が集まった

台北駐日経済文化代表処と産経新聞社の話し合いの基に企画された特別シンポジウム「台湾の明日への展望~TPPとRCEP参加の意義に関して~」が11月4日、日本記者クラブホールにて開催され、台湾経済研究院の江丙坤理事長及び拓殖大学の渡辺利夫総長が基調講演を行い、会場の定員を超える100人以上の来場者が集まった。

台湾は現在、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)と東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への加盟を希望しており、「台湾の国際経済戦略-新たな繁栄と安定に向けて」のテーマで講演した江理事長によると台湾のTPP及びRCEPへの参加は台湾の最高の国際戦略であるほか、メンバー諸国にとってプラスの影響を及ぼすという。

台湾経済研究院の江丙坤理事長
台湾経済研究院の江丙坤理事長

その理由として江理事長は「台湾がTPPとRCEPに参加すれば台湾の実質GDPを約2%、貿易を約6.5%増加するチャンスがある。また、台湾の経済推進度は開発国と途上国の中間位置に当たる台湾がTPPとRCEPに参加することにより関連の産業チェーンで川上産業と川下産業に優れる製品とサービスを提供することが出来るほか、経営理念を伝える役割を果たすことが出来る。このことが途上国メンバーの産業レベルの向上に役立つに違いない」と述べた。

拓殖大学の渡辺利夫総長
拓殖大学の渡辺利夫総長

また、渡辺総長は「台湾の国際空間をいかに広げるか-TPP・RCEPへの日本の対応」をテーマに講演し、「サプライチェーンメカニズムの中で台湾は中心的な役割を果たしており、サプライチェーンメカニズムの中枢基地に足らしめるための技能的なノウハウと人材を豊富に要している。これを一層磨き、台湾を拠点とする国際的なサプライチェーンメカニズムを更に有効に働かせることが台湾には必要だろう。日本の役割は台湾のTPPとRCEP参入を米国や中国に促すことだ」と述べたほか、続くパネルディスカッションではモデレーターの産経新聞社論説委員の山本秀也氏からの「日台間の経済において今後どのような政策が必要か」という質問に対し、「モノだけでなくサービス面での価値を日台双方で創り上げ、各国のモデルとなること」と話した。

台湾はTPPとRCEPに加盟するために既に初歩的推進チームが設置されており、行政院長自ら主催しているという。台湾のTPP及びRCEP参加実現は、現実性を帯びてきた。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

 

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here