芸術交流事業の展示会で若い世代の継承に期待

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「日本・台湾 現代美術の現在と未来 ローカリティとグローバルの振幅」に展示されている台湾人作家・陳怡潔さんの作品「Mini the Minx 回転肖像」
「日本・台湾 現代美術の現在と未来 ローカリティとグローバルの振幅」に展示されている台湾人作家・陳怡潔さんの作品「Mini the Minx 回転肖像」

東京藝術大学と台湾文化部は共催で、11月4日より、同大学美術館陳列館と同美術学部絵画棟アートスペース1・2を使用して「日本・台湾 現代美術の現在と未来 ローカリティとグローバルの振幅」と題する展示会を開催している。同展は文化部が「台湾文化光点計画」に基づき、日本の東京芸大と共同で2013年より進めている「台湾・日本芸術文化交流事業」の一環として開いたもので、開催期間は16日まで。

2年目を迎えた日台の交流事業として、今年は日本と台湾の若手作家を中心とした絵画作品、写真作品、映像作品、メディアアートなど様々な表現が用いられた作品が展示され、日台双方の新たな芸術表現が描写された展示会だった。

展示を鑑賞する駐日経済文化代表処の沈斯淳代表
展示を鑑賞する駐日経済文化代表処の沈斯淳代表

初日の4日にはオープニングパーティーが開かれ、駐日経済文化代表処の沈斯淳代表及び台北文化センターの朱文清センター長、國立台北藝術大学關渡美術館の曲徳益館長、東京藝術大学の宮田亮平学長らも足を運び、若手作家や関係者らと交流を深めた。沈代表は現在台日関係がここ40年間で最良の状態であることに言及し、特に文化交流面での成果は実り多いものだとしたほか、「同展を通して日本の方々に台湾の藝術を知って頂き、日台双方の若い作家らの創作活動の良い刺激になれば」と述べた。

駐日経済文化代表処の沈斯淳代表(左)と東京藝術大学の宮田亮平学長(右)
駐日経済文化代表処の沈斯淳代表(左)と東京藝術大学の宮田亮平学長(右)

一方、宮田学長は「展示されている日台双方の作家の作品には共通した美意識が感じ取れるが、似ているようで少し違うというところも魅力の1つだ。このことから日台はどこかで友人であるという事実が芸術を通しても感じ取れる。これは素晴らしい事だ。同展の発見はここにある。次の時代は若い世代が作るのだ。私たちはそのきっかけを作るだけだ」と語った。

オープニングパーティーの様子
オープニングパーティーの様子

パーティーに参加していた日本人画家の松井えり菜さんは「私は台湾で展示をしたこともありますが、台湾人作家の方の作品には自分と通ずるものがあると思う。日台はヨーロッパの人たちに比べて物をアイコン化するという能力に長けており、この点に共通点を感じる」と話していた。

日本人画家・松井えり菜さんの作品
日本人画家・松井えり菜さんの作品

これに対し東京藝術大学大学院生で台湾人作家の柯毓珊さんは、「日台の繋がりはこの2、3年でとても強化されていると感じていたが、今回は自分もその日台交流の役に立てているということが嬉しい」とコメント。日台の交流で若い世代に受け継がれていく事に期待がもたれる。

日台双方の作家らが交流を深めた
日台双方の作家らが交流を深めた

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