九州を舞台に、台湾関連メディア続々進出

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台湾と九州との交流が深まり、円安などを背景に台湾で日本への旅行ブームが活性化する中、台湾に関連するメディアが、続々と九州を舞台に展開している。3月に創刊した九州の観光情報を伝える無料情報誌「美好九州」は、九州のグルメや旅などを特集。九州観光に特化した繁体中文のフリーペーパーは稀で、台湾の大手書店で入手できる。写真や記事では、九州の地元タウン誌とも協力。美好九州は、九州観光推進機構とも提携しているが、関係者によると、課題も多いという。台湾メディア関係者の高田崇浩さんは「台湾人読者の目が肥えている中で、記事の内容がお世辞にも面白いとは言えない。ライターも、いつもの鉄道作家や、自己顕示欲の強い現地在住作家など代わり映えせず、記事内容も垢抜けしない。読者を満足させるには、今後、ライターを刷新してフレッシュなメンバーにするなどの対応が必要になる」と指摘する。また、東京に本拠を置く「ジーリーメディアグループ」は、台湾人向けに九州の観光情報を発信するウェブサイト「ラーチーゴー」の九州版を開設。交通案内や観光地のお薦めスポットを紹介する中で、百貨店やドラッグストアのクーポン券も掲載し、鉄道やバスの乗り放題吉報の活用法も説明する。

ラーチーゴーのホームページ(提供:ベンチャー広報)
ラーチーゴーのホームページ(提供:ベンチャー広報)

台湾と九州を結ぶアジア地域のニュースを配信しているJV-Newsは、台湾関連の取材記事の拡充を発表した。編集部の藤原左内氏は「台湾のマーケットは加熱状態にある。読者も情報が過多になる中で、どの情報を選択すれば良いのか分からない。進出するメディアも多い。しかし呼応する形で、広告化された記事も増え、在住年数が長いというだけで自分の趣味の記事、偏見に満ちた面白みのない記事が掲載されていることも多い。その中で、しっかりと精査されたフラットな情報を提供していきたい」と話している。九州運輸局によると、2014年に九州に入国した外国人客は約167万人で、前年比は約3割増加。台湾からは約21万人としている。台北駐福岡経済文化弁事処の戎義俊処長は「メディアの皆さんには、台湾に向け、『九州の魅力』を発信して欲しい」と話している。

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