台湾人弁護士、台湾カルテル規制への注意を喚起

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日本語堪能な台湾人弁護士が多数在籍する建業法律事務所は3月4日、東京の六本木ヒルズAcademyHills49階のカンファレンスルーム5で台湾カルテル規制についての講演会を開催した。同事務所が日本で単独の講演会を行うのはこれが初。講演は通訳無しの日本語で行われた。
講演会は、昨年12月に携帯電話やゲーム機、パソコンなどに使われるコンデンサーの販売業者が価格カルテルを結んでいたとして、公平交易委員会が公平交易法違反で日本ケミコンなど 10社に対し、合わせて57億9660万元(約214億6500万円)という、海外企業に対する課徴金としては史上最高金額の課徴金が課される処分が下された事実などを受け、今後考えられる同じようなカルテル違反を防ぐことを目的に開催したもの。
講演では同事務所の陳彦勲弁護士と林昱瑩弁護士がそれぞれ「台湾のカルテル規制の実務動向とリニエンシー制度」と「近年の台湾における大型カルテル事件についての徹底解説」の題で参加者に対し説明した。
陳弁護士によると、カルテル規制などが含まれる台湾公平取引法は、1991年に台湾立法院で議決され、その翌年から執行開始され、5回の法改正が行われたが、日本やその他の国に比べるとまだ規制が緩く、台湾企業もカルテルについての認識があまいという。しかし、昨年は、2月、6月と年に2回同法の改正が行われており、6月の改正では、報奨金の発給をもって企業社員にカルテル行為の内部告発を奨励する「反トラスト基金(報奨金制度)」が追加され、規制強化が加速されてきている。

陳彦勲弁護士
陳彦勲弁護士

陳弁護士は講演後、「昨年11月26日に台湾と日本の間で競争法(独占禁止法)の効果的な執行に貢献することを目的に協力する内容を明記した『日台競争法了解覚書』が締結されたことで、お互いに衝突回避、協力関係が強化され、問題を解決しやすくなった。日台間にはビジネスにおける交流が多方面にわたり存在しており、カルテルに該当するかどうかの意識が必要である。違法をしてしまった際、立証責任は企業にあり、企業はどのように反論するかなどを検証する必要も出てくる。同事務所としては、日台のビジネスを円滑に進められるよう、協力していきたい」と語った。(2016/3/11)

左から建業法律事務所の林昱瑩弁護士、陳彦勲弁護士、広報の余佳璋さん
左から建業法律事務所の林昱瑩弁護士、陳彦勲弁護士、広報の余佳璋さん

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