台北駐福岡経済文化辦事處等が主催する「中華民國105年国慶節の祝賀レセプション」が10月6日、ホテルオークラ福岡で開催され、九州・山口から駆けつけた800人近い参会者で大いに盛り上がった。
発展し胸を張る中華民國・台湾にふさわしい行進曲「威風堂々」を福岡工業大学吹奏楽団が演奏する中で、定刻前から集まった人々が挨拶を交わし談笑するうちに開会が告げられ、冒頭の中華民國・日本両国の国歌演奏時には、音楽に合わせて会場内から厳粛な歌声が聞こえるなど、両国参会者の矜持が伝わる幕開けとなった。
開会の挨拶に立った台北駐福岡経済文化辦事處の 戎義俊處長は、最初に建国の父・孫文が共和制国家を樹立するにあたって、宮崎滔天を始めとする九州人の支援が大きい力になったことに触れ、日頃から台湾を支援してくれる九州の人々と共に孫文生誕150年、建国105 年を祝うことができることに慶びを表した。
次いで2013 年に350 万人であった日台の交流人数が今年は600 万人になる見込みであり、両国の相互理解、友好関係が確固たるものになっていることを強調した。また福岡辦事處が特に注力している若い世代の交流において、2014 年に 12 校・1200 名だった九州・山口の高校から台湾への修学旅行生の数が2015 年に 19 校・2200 名、2016年 28 校・5000名と順調に増えていることに、次世代の結びつきへの期待が実現しつつあるとの認識を示した。
更に今月福岡市総合図書館で催される台湾映画祭の上映作品「KANO」に描かれた嘉義農林学校(嘉農=かのう)野球部の甲子園での活躍を支えた「日本精神」について触れ、これが今も台湾の中に生き続けていること。日本人の中にも「暗黙知」として伝わっているこの精神こそが、互いに切磋琢磨し、未来永劫発展を続けていくための両国の「絆」であること。これを基盤に台湾と九州・山口が一層関係を強固にすることを願うと述べて締めくくった。
式典には、自由民主党元副総裁・近未来政治研究会最高顧問 山崎 拓氏をはじめとする衆参両院議員、九州各県の官界・政界関係者、大学学長、企業人など、47人の来賓が出席した。
来賓の数で特に目立ったのは、指宿市長、出水市長、水俣市長、山鹿市長、人吉市長、嬉野市長、日田市長、豊前市長、柳川市長、萩市長、美祢市長など、地方の市長が多いことで、九州・山口の各地が台湾と草の根的につながってきた歴史と、各地の今後の交流への期待を反映するものとなった。
立錐の余地もないという言葉がぴったりの中で来賓諸氏の挨拶が終わると、台湾と日本を行き来して活躍する二胡奏者の里地帰氏が「涙そうそう」や「望春風(台湾民謡)」を演奏し、伝統楽器の音色で参会者を和ませた。
二胡演奏に続いて 福岡~台北 間の航空券が当たるなど、お楽しみ抽選会を経た後、福岡辦事處の職員、留学生、会場の有志などが壇上に上がり「日本丸」と「愛拼才會贏 ~努力なくして成功なし~」を唱和して厳かな中に楽しい祝賀・交流レセプションを終了した。