台湾のゴールドジュエリーメーカー「東龍珠鑽石集團」は、日本市場でさらなる拡大を図るため、ニーズに対応した製品提供の拡充及び生産工場の新設を明らかにした。その一環として第29回国際宝飾展(東京ビックサイト、会期:1月24日〜27日)に出展し、現行約20%の日本市場での市場占有率を引き上げる事を目的にPRしている。
現在、同社は2年前より本格的に日本市場参入を果たしており、シェアの大半は日本ブランドとして販売しているOEM及びODM製品。この分野での販売拡大を図るため、これまでの伝統的な技術、細かな品質管理を行う日本精神を受け継ぎながらも、単なる自社製品の販売にとどまらず、ジュエリーボックスやロゴのデザイン設計、さらに、店舗のディスプレイを考案して提供できる体制などのアフターフォローもサービスの一環として拡充させる。
また、台湾の工場で行っている、宝飾品一粒一粒をスケールルーペを使用して入念にチェックする作業は、歴史上、日本に統治されていた事にも起因しており、その伝統を堅持しながら、日本人のニーズにマッチした高クオリティー製品の提供を可能にしている、としている。
一方、同社製品は低価格でしかも高クオリティーである事が競争力で、同社張芳榮執行長によると、「台湾からの地金の輸入に対する関税の非課税」はもとより、「台湾は低賃金である」、「大量の地金を現金一括で買い付け」、などの施策により、製品の価格設定においても大幅なコストダウンを可能にしているという。
なお、同社は今年、技術職人500人を収容できる工場を台湾に新設する予定であり、その施工は日本企業が担当する。張執行長は、「日本の市場をさらに拡大し、技術職人を500人まで増やしていきたい」と話し、また、「2020年の東京オリンピックまでに日本でのオフィスを構えたい」と今後の構想も示唆した。
台湾珊瑚メーカーが一挙集結
なお、同展には台湾から計8社の宝飾品メーカーが出展している。なかでも珊瑚を使用したジュエリーのメーカーが大半を占めた。
赤珊瑚メーカーの佳紘國際珠寶有限公司によると、現在、中国大陸の顧客が全体の約70%を占めるなど、中国大陸での赤珊瑚産業は発展している。その一方で日本においては赤珊瑚の市場が落ち込んでおり、同社では全体の約10%~20%程度だという。すでに20回以上同展に出展している同社は、今回の展示目的として、既存の顧客に対する新製品の紹介をメーンに市場拡大を目指した。これまでの赤珊瑚特有の深みある赤色の珊瑚に対し、現状で日本人からのニーズが高い「ピンク」など可愛らしい色を使用したより多くの珊瑚製品を開発し、展示する事で他同業社との差別化も図っていた。
なお、同社製品は、完成品と未完成品の両方の販売を行っており、日本では未完成品の販売の需要が高いそうだ。購入後は、自分でデザイン設計し、ブレスレットにしたり、ネックレスにしたり、カスタマイズが可能だという。