台湾メディカルバイオテクノロジー産業協会の洪盛隆理事長は3月15日、東京ビックサイトの商談室で行われた「台湾医療機器&ヘルスケアセミナー」に出席し、日台貿易開拓戦略の方針について「今後の台湾医療機器産業の手助けとなってほしい」と主張した。現在台湾の医療産業の輸出入双方において2番目の日本は、医療産業レベルが高い事に加え、2005年より高齢化社会である事から、介護産業においても成熟しており、技術や人材、また情報などの相互交流をしていきたい旨を述べた。
しかし、日本との共同技術開発などにおける交流が未だ発展していないとの現状があるという。その現状を踏まえ、6月に台北で行われる高齢者向けヘルスケア専門見本市「SenCARE」及び医療産業に特化した見本市「MEDICARE」に日本医療機器メーカーが出展又は来場する事で、日台連携のビジネスチャンス構築のためのプラットフォームになっていく事を期待した。
台湾医療機器産業の現況について言及
一方洪理事長は、台湾医療機器産業の動向と潜在性にも触れた。台湾の医療産業は台湾政府が積極的に支援している事から、新規事業が次々に立ち上がり、現在では医療機器産業が1073社まで増加。さらに、台湾北部には医療電子機器が、南部には金属が特色としてあり、中部には医療機器振興多領域統合プラットフォームがあるなど産業クラスターがすでに形成され、各地域の特色化が進んでいるという。
また、台湾医療産業は、豊富なOEM生産経験と管理能力を有し、迅速な組み立てとフレキシブルな対応が可能であるほか、ICT産業技術が発展し整った環境にあるという強みがある。一方、高レベル医療機器の安全性と機能性付与技術が不足しているため、今後はキーテクノロジー機能性付与技術を使った医療機器を発展させ、キーテクノロジーに携わる人材を育成して研究開発に投入するなど、産業発展のチャンスを作っていく見込み。
出展及び来場を誘致
同セミナーには、主催側の台湾貿易センター展覧業務処第5課李宜静課長も出席しており、「SenCARE」及び「MEDICARE」への出展と来場を呼びかけた。
今年はユニークな展示が登場するとされ、初めて設置されるスマート医療及びIoTゾーンでは、ICTが応用できる介護クラウドやデジタル診療サービス、さらにはウエアラブル商品が展示される予定。また、台湾3D医療機材デモンストレーションを行い、3Dプリンターを使用した技術をより早く商品化できるメリットをこの展示会で再現される見込み。
両見本市は6月21日〜24日に台北世界貿易センターホールで開催予定。条件を満たすバイヤーに対しては航空券や宿泊が優待される。