留学生と一緒に博多の街を駆け抜けた陳忠正総領事

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勢いよく走る土居流れの山笠と、先走りをする陳忠正総領事

今年で13回目を迎える台湾留学生の博多祇園山笠の出場に今年は陳忠正福岡総領事が加わり、留学生と一緒に博多の街を駆け抜けた。

大学や専門学校の留学生である金柏諺、陳昱翰、高尹澐、林辰儒、詹孟儒の5氏に、社会人で山笠の先輩である林紀全、羅允謙氏が加わり、さらに陳総領事を入れて合計8人の台湾チームが出来上がった。

陳総領事の参加は、土居流れ・中土居町の世話役である櫻井伸平、嶋田正明の両氏が領事館を訪問し、今年の留学生受け入れについて打合せをした時に総領事側から申し出があり、土居流れ側が承諾して決まったもの。

もちろん、現職の総領事が山笠の5キロのコースを走るというのは13年の歴史で初めてのことであり、申し出を受けた櫻井、嶋田氏も驚いたというが、14条にのぼる中土居町の「参加規定」を遵守することを約束してもらった上で受入れることになった。

中土居町の世話役の皆さんと一緒に(櫛田神社の清道で)

恒例の中土居町における台湾留学生の受け入れは毎年5人までに絞り、そのうち1人以上は2年以上継続して参加すること、そしてその人が後輩を指導するというルールが出来上がっている。これは長い歴史と伝統、さらに神事としての多くのしきたりや決め事をスムーズに引き継いでもらうための工夫であり、13年間続いてきた遠因の1つでもある。この方式が台湾と中土居町の人たちとの強い絆をはぐくみ、両方の山笠経験者で作る「オッショイ会」では、結婚式などのお祝いごとに、お互いを招待し合うなどの関係が続いている。2020年には、オッショイ会が山笠振興活動の一環として台湾を訪問し、山笠のPRをしたいという話も出ている。

15日午前4時59分のスタートに先立って、土居流れの舁き山が置かれた周辺には、前夜から留学生仲間や福岡で暮らす台湾の人たちが集まり、一年ぶりの再会を喜んだり、日頃の健闘をたたえ合ったりした。

応援の留学生仲間と

舁き山のスタート後は、陳総領事、留学生とも勢い水を浴びながら「オイサ、オイサ」の掛け声で土居流れの人たちと一緒に博多の街を走り抜け、更なる日台友好に向かって気持ちを高めたようだった。

留学生と一緒に博多の街を走り抜けた台湾の総領事