台湾の日常制限を大幅に緩和~コロナ禍の落ち着きで

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台湾の日常制限を大幅に緩和(写真提供:中央社)

 新型コロナウイルスの感染状況の落ち着きを受け、台湾は6月7日に感染対策として設けられていた各種制限を大幅に緩和した。生活面では、マスクの常時着用が求められていた公共交通機関で、一定の条件はあるが、装着を緩和。また、スーパーでは試食販売が再開された。さらに、プロ野球の観戦は、座席の間隔がさらに狭められ、観客動員数も増加される見通し。

 台湾は同日までに、ウイルスの潜伏期間とされる14日間の4倍に相当する56日間連続して感染の確認がない(海外渡航歴を持つ人以外)。全土を上げての感染防止策が功奏している結果を踏まえての緩和とも言える。

 台湾中央感染症指揮センターは目下、「防疫新生活運動」を提唱している。手洗いの励行、社会的距離を確保できない際のマスク着用など、個人の衛生管理の徹底を呼び掛け、社会的距離の目安は、室内1.5メートル、屋外1メートルに徹底。これらが実践されている状況下では、イベントの開催などに人数制限は設けないとした。

 台湾交通部によると、6月7日以降、公共交通機関では入場の際に検温、マスクの着用を必要とするが、入場後は社会的距離の確保及び仕切りなどがある状況では「マスクを外しても良い」とする。台湾鉄路管理局と台湾高速鉄道では6月1日から車内飲食が条件付きで解禁されている。

 プロ野球観戦では、観戦中はマスクの着用は強制せず、他人との距離の確保が困難な場合にのみ着用を求める。座席間隔は左右2~3席から1席に狭めるが、前後列では斜めになるように配置する。食品の持ち込みや球場で調理した食品の販売も認める。

 さらに、量販店大手のカルフールは試食販売を再開した。事実上の配給制が取られていたマスクの販売が6月1日に解禁され、同店では同7日より台湾各地の店舗での箱詰めマスクの販売を始めた。

 センターの陳時中衛生福利部長は、「国内の感染状況は安定しているため安心して国内の制限が緩和できる」とし、「厳格な水際対策は継続していく」と姿勢を示した。