台湾文化路徑鉄道篇が東京で開幕~台湾の鉄道の美に感動

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台湾の鉄道写真

 台北駐日経済文化代表処台湾文化センターは国家鉄道博物館準備処と協力し、6月10日より「台湾文化路徑(カルチャールート)鉄道篇」を開催した。同イベントは、台湾文化センターおよび「誠品生活日本橋」を会場に、台湾の10人の鉄道写真家による85件の作品および台湾の硬券切符等の鉄道文物を展示する。

「台湾文化路徑(カルチャールート)」は、台湾ならではの文化の特色を結びあわせ、テーマ性・ストーリー性をもった文化の道をつくり出そうという試みであり、台湾文化部が近年推進している重要政策である。2019年の国家鉄道博物館準備局の開設に伴い、今年は「カルチャールート鉄道篇」として、台湾の台鉄(在来線)、高鉄(新幹線)、製糖鉄道、森林鉄道、炭鉱鉄道、都市鉄道・地下鉄などの美しい鉄道風景を日本で展示し、より多くの日本の若者に台日間の鉄道交流の歴史を知見させる事を期待している。

 今回は新型コロナウイルス禍により、台湾の写真家が来日して講演する事ができないため、第42回金穂賞最優秀ドキュメンタリー賞ノミネート監督で、今回の写真展にも出展している写真家の黄威勝氏が『迷・鉄道』のショートフィルムを制作し、オンラインで台湾の鉄道の魅力と出展写真家らの作品に込めた想いを紹介する。また、国家鉄道博物館準備処が制作したドキュメンタリー『切符印刷の伝統芸』の映像も公開する。これら2本の予告ビデオは、先にウェブ上で公開されると大きな反響があり、すでに4万回近くの視聴があったという。台湾にまだ行ったことがない日本人からは、映像を見て台湾に行きたくなったという感想もあった。

今年5月に放映された、台湾の公共テレビと日本のNHの共同制作したドラマ『路(ルウ)~台湾エクスプレス~』で、日本で台湾の鉄道に対する注目が高まるなか、ドラマを見た日本の多くの視聴者より、「台湾に行って台湾高鉄のロケ地巡りをしたいのに新型コロナウイルスの影響で行くことができず残念だ」という声が寄せられていた。今回の展覧会は、その要望に「鉄道文化の旅が体験できる場を提供し、台湾旅行に行きたい気持ちを少しでも満たしていただき、これを機にもう一度台湾鉄道ブームが起きる事に期待したい」としている。

国家鉄道博物館の鄭銘彰・簡任秘書は、「昨年12月に今後失われるであろう台鉄の硬券切符の印刷製造の流れを撮影する事になり、博物館学芸員の視点から分かりやすく記録した。黄威勝監督によるコンテ、フレーミング、ライト、編集などにより『切符印刷の伝統芸』が完成した。これは国家鉄道博物館と台湾文化センターによる国境を越えた共同制作であり、より多くの日本の方々に台湾の鉄道を好きになっていただきたい」と述べた。

同展のキュレーターを務める陳威臣氏は、「この任務を引き受けてから、数々の困難があった。新型コロナウイルスの感染拡大が日を重ねるごとに深刻となり、果たして展覧会の開催にたどり着けるのかも多くの変数があった。幸い台湾文化センターおよび誠品生活日本橋の協力により、台湾側のチームも技術的な問題を克服し、写真・映像作品を無事日本に運ぶことができた」と述べた。

一方、『迷・鉄道』の監督および同展の出展カメラマンである黄威勝氏は、「鉄道ファンの世界は、2本のレールと同様に、どこまでも続いていく。そして彼らに言わせれば、列車は神様のような存在だ。今回は非常に短い時間ではあったが、『迷・鉄道』の映像作品を完成させた。撮影チームは暖暖、牡丹、十分、望古、大華、貢寮、頂埔、高雄港、崁頂などの駅や、花東線、南廻線、内湾線、平渓線、海線、新平渓炭鉱、阿里山森林鉄道などで撮影を行った。このショートフィルムを通して、鉄道が彼らをなぜ魅了させるのか、そしてまた一味違う台湾が見えてくるだろう。鉄道写真を撮るために、彼らは台湾の新しい1本のルートを駆け抜けている」と語った。

 今回の鉄道写真展および切符展は、東京都における緊急事態宣言が解除されて以来、台湾文化センターで開催する初の展覧イベントでもある。日本の「新しい生活様式」を実践するため、実体の展示においては新型コロナウイルスの防疫措置をしっかりと行い、同時にオンライン展覧会も企画している。これらを通して全世界の鉄道ファンに台湾の鉄道の魅力を届けるとともに、日本の皆様の自宅からでもオンラインで台湾の鉄道の美を体験していただくことができる。

台北駐日経済文化代表処台湾文化センター
公式ウェブサイト: https://jp.taiwan.culture.tw/
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