中国公船が連続5日間、尖閣諸島沖に航行して日本漁船を追い回したことが2月18日に明らかになった。日本海上保安庁の奥島高弘長官はこれを前にした同17日、記者会見で「国際法で許容される範囲内の法律の原則により、武器を使用することは排除されない」と表明した。同じく尖閣諸島の主権を主張している台湾は、同18日に台湾外交部の歐江安報道官が記者会見で「尖閣諸島は台湾の領地であり、日中両方の自制を求めている」と話した。
中国政府は2月1日、海警局に武器の使用を許可する「海警法」を実行。中国海警船は同18日まで連続5日間、尖閣諸島周辺に航行し、日本漁船を追い回す行為をした。さらに、大型武器を搭載する船も目撃された。日本の尖閣諸島の実効支配を強める試みとみられる。
こうした行為を受け、沖縄県玉城デニー知事は加藤勝信官房長官に「中国船を排除する」と要請書を提出。「中国公船による追尾事案が頻発。中国海警局の武器使用を認める海警法の成立で、地域漁業者に脅威を与えている」と示し、安全体制の強化を求めた。
奥島海上保安庁長官は同17日、中国方の行為について記者会見で「緊張感を持ち、万全を期したい」と述べ、中国船への反撃手段として海保の武器使用も言及した。さらに、北村滋国家安全保障局長は同18日、米国のサリバン大統領補佐官と電話会談し、尖閣諸島を巡って意見を交わした。
なお、尖閣諸島の主権を主張している台湾は、同18日の台湾外交部の記者会見で「尖閣諸島は我が国の領土であり、日本と中国の主張は無効だ」(歐江安報道官)とし「両国の行動に自制を期待している」と話した。