台湾、2021年輸出入ともに過去最高額

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台湾の2021年輸出入ともに過去最高額(写真提供:中央社)

台湾財政部は1月7日、2021年の貿易統計を発表した。輸出額と輸入額が共に過去最高となり、輸出額は4,464億5,000万米ドル(前年比29.4%増)、輸入額は3,811億7,000万米ドル(同33.2%増)だった。

財政部統計処の蔡美娜処長は2021年の世界経済について「引き続き新型コロナウイルスの脅威、米中貿易摩擦、サプライチェーンの途絶、物流の停滞などマイナス要素に妨害された。しかし新型コロナの影響で落ち込んだ消費の反発力も強く、経済回復にけん引され、エンドユーザーの需要増や国際的な原材料価格の高騰によって輸出製品の価格が上昇した。輸出額は四半期を追うごとに増加して過去最高を記録。第2四半期には1,000億米ドルを越え、第4四半期には1,224億2,000米ドルという前代未聞の高水準に達した」と説明した。

蔡美娜処長は「2021年は輸出額と輸入額共に過去最高という新記録を樹立した。しかも過去2番目に高かった金額との差は900億米ドルから1,000億米ドルに上り、前例のない増加額となった。成長率は輸出額が過去34年間、輸入額が過去33年で2番目の伸び幅で、さらに輸出額の成長率はアジア四小龍(アジアの四頭のリトルドラゴン、アジアで急速な経済発展を遂げた台湾、韓国、香港、シンガポールを指す)で3年連続トップ」と説明した。

これにより、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は652億8,000万米ドルの黒字で過去最高となり、前年比で63億米ドル増となり成長率は同10.7%増だった。輸出先別では、中国大陸(香港を含む)が1,047億3,500万米ドル、米国が266億1,800万米ドルと共に過去最高となった。

2022年の輸出について蔡美娜処長は「最近では原材料不足が徐々に解消し、主要国の製造業界では景気の拡大がみられる。新型コロナの新たな変異株、オミクロン株流行による感染状況が最大の懸念材料となる」と見通した。