台湾国民党議員、福島産食品輸入解禁への反対姿勢崩さず

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国民党立法院党団の費鴻泰総召(費鴻泰フェイスブックより)

台湾の国民投票で2021年12月、事実上米国産を対象とした豚肉の輸入継続が決まったのを受け、台湾では福島など日本5県産食品の輸入解禁についての是非に注目が集まっている。輸入解禁に反対の立場の野党国民党立法院党団の費鴻泰総召は1月17日「国民の健康はいかなる政治的利益や国際関係とも引き換えてはならない」と強調し、一歩も譲らない姿勢を示した。

台湾立法院で報道陣の取材に応じた費氏は「われわれの態度は揺るがない」とし「2018年の国民投票では約780万人が5県産食品の禁輸継続に賛成した」と言及。5県産食品を「核食」(放射能汚染食品)と表現し「政府が核食の輸入を認めた場合、いかなる抗議や議事妨害を行う可能性も排除しない」との構えを示した。これに対し民進党立法院党団の蔡適応書記長は同日、報道人からの質問に対し「これまでに台湾に輸入された全ての食品が安全の基準を満たしており、いわゆる「核食」というものはない」と指摘。「仮に今後5県産食品の輸入を解禁するとしても、輸入される食品は関連の規定を満たす必要があり、核食が入ってくることはない」と強調した。同党の羅致政立法委員も「民進党は科学的根拠と国際的基準に基づいて食品を輸入しており、基準値を超える放射性物質が検出される食品の輸入はありえない」と一蹴した。

台湾は2011年の東京電力福島第1原子力発電所事故以降、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産食品の輸入を禁止している。蔡英文政権は日本が主導する環太平洋経済連携協定(TPP)への加入を目指しているが、加入を実現させる上で、日本産食品に対する輸入規制の撤廃が課題となっている。