台湾与党、リコール投票と補欠選挙で勝利

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林昶佐氏(写真提供:中央社)

台湾台北市は1月9日、第5選挙区(中正、万華)の林昶佐立法委員(国会議員)に対するリーコルの賛否を問う住民投票が実施した。賛成5万4813票で反対4万3340票を上回ったが、規定の5万8756票に届かず、リコールは不成立だった。

 同日、台中市第2選挙区(沙鹿、龍井、大肚、烏日、霧峰)で立法委員の補欠選挙が行われ、林靜儀候補(民進党所属)が顏寬恒候補(国民党所属)を下して勝利した。

林昶佐氏へのリコール運動

 林昶佐氏は人気メタルバンド「閃霊」のボーカルで、2016年に野党・時代力量を代表し立法委員に初当選。2019年に無所属となったが翌年の立法委員選に8万1853票で再選していた。

 林氏は独立志向のイデオロギーを持ち、国会では親民進党の立場を取っている。2020年6月に韓国瑜高雄市長のリコール成立後、各地で民進党およびそれに近い立場をとる公職の報復性リコール投票が相次ぎ、林氏にも波及した。

 林氏へのリコール運動は国民党が支持した一方、民進党は盟友の林氏に全面的な支援を送った。9日に行われた住民投票の結果、賛成5万4813票で反対4万3340票を上回った。しかし該選挙区有権者の4分の1の5万8756票を超えられず、リコールは成立しなかった。

 林氏は選挙の結果に対し、SNSで「終わった、明日も前の通り頑張っていく」と投稿した。一方、国民党の凌濤報道官は記者会見で「残念だったが、人民の怒りは選挙を通じて政府に伝えた」と話した。

台中市の立法委員の補欠選挙

民進党の林靜儀候補が勝利した(写真提供:中央社)

 同日、台中市第2選挙区(沙鹿、龍井、大肚、烏日、霧峰)の立法委員の補欠選挙が行われた。民進党の林靜儀候補が8万8752票で台中市顔家の顏寬恒候補(中国国民党)の8万912票を下し勝利した。

 同選挙区では顔家の前代・顏清標からの牙城だったが、2020年の立法委員選挙に陳柏惟氏(台湾基進党)が顏寬恒の三選を阻止した。しかし2021年10月23日に陳氏のリコールが成立し失職した。

 顏寬恒氏は国民党を代表し出馬した一方、民進党は元立法委員の林靜儀氏を出馬させた。選挙期間において顔家のスキャンダルが台湾メディアに報道され、一時話題となり、顏氏に影響を与えた。

 選挙の結果、林氏が8万8752票を納め、顏氏の8万912票を上回って当選した。林氏は当選の直後、支持者に「私を信頼してくれてありがとう」と謝意を伝え「この選挙区の皆さんが変わる勇気を見せてくれた」と話した。顏氏は台湾語で支持者に「ここまで頑張ってくれてありがとう」と伝え、蔡英文総統に「人民の声を聞いてくれ」と呼びかけた。