COMPUTEX 2022 対面開催は2年ぶり~ハイブリッド方式でデジタルの新たな契機を切り開く

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蔡英文総統は、台湾のテクノロジー産業のデジタル変革を全力で推進し、皆で次の黄金の10年を築き上げようと発言した。

「2022年台北国際コンピュータ見本市(COMPUTEX 2022)が5月24日から同27日まで、台北市南港区にある「南港第1展示ホール」で開催された。開会式には蔡英文総統、経済部の王美花部長、中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)の黄志芳董事長、台北市電脳公会の彭双浪理事長などが貴賓として出席し、COMPUTEX 2022の幕開けを祝った。出展された新たなデジタルテクノロジーの発展を確かめていた。

黄志芳董事長は「過去20年間、テクノロジーは全世界の共通言語だった。これからも世界に力を与え、歴史の重要なマイルストーンを産みだし続けるだろう。昨今、新型コロナウイルスのパンデミックやサプライチェーンの断絶などの差し迫った問題に直面しながらも、我々はテクノロジーを駆使することで無限の可能性を生み出してきた。COMPUTEXは一貫して、世界をリードするテクノロジーの交流プラットフォームを提供する事をその使命としてきた。今年はさらにグレードアップし、リアル(対面式)とバーチャルのハイブリッドによるエクスペリエンスを提供した。この見本市でさらなる技術革新の火花が散り、世界中のハイテク企業とともに美しい未来を迎えられることを期待している」と述べた。

パソコンや周辺機器のメーカーである技嘉科技(ギガバイト)のブースでは、AI(人工知能)、5G、エッジコンピューティング、インテリジェント交通システム、情報セキュリティやeスポーツなどの娯楽分野に高性能計算技術を応用するなど、未来のビジョンを全面に押し出した展示を実施した。

台達電子(デルタ電子)のブースでは、サステナビリティに焦点を当て、産業自動化、データセンターのインフラ施設、電動車(EV)の充電などの分野における電源管理(パワーマネージメント)や冷却ソリューションなどを展示した。

日本のメモリメーカーであるキオクシアのブースでは、ハイエンドのノートブック型パソコン、デスクトップ型パソコン、ワークステーションなどに適用する全く新しいクライアントSSD「KIOXIA XG8シリーズ」を展示した。

台湾のEpoch Foundation(時代基金会)が運営するスタートアップインキュベータGarage+(ガレージ・プラス)のパビリオンでは、48社のスタートアップが共同で展示するAI、IoT(モノのインターネット)、ヘルスケア、グリーンテクノロジー分野のイノベーションなど、世界各国のICT(情報通信技術)が集まる人気のブースを展示した。

王美花部長は、台湾が世界のサプライチェーンから注目されるよう努力すると言及した。

COMPUTEX 2022 世界のテクノロジー産業のエコシステムを一挙公開

COMPUTEX 2022は「AIが加速させる未来 (Accelerating Intelligence)」、「無限の体験 (Connected X-Experience)」、「サイバーレジリエンス (Digital Resilience)」、「イノベーティブ・コンピューティング(Innovative Computing)」、「イノベーション&スタートアップ (Innovations and Startups)」、「サステナビリティ (Sustainability)」の6つをテーマとし、オンライン見本市のCOMPUTEX DigitalGo(5月24日~6月6日)を同時開催した。複数のチャンネルを使用した国際交流プラットフォームを構築しており、世界のテクノロジー産業が提示するエコシステムのビジョンを一挙に見渡す事が可能となった。

見本市開催期間中は数多くの基調講演やフォーラムなども同時開催した。今年のCOMPUTEXは、AMD、NXPセミコンダクターズ、マイクロンテクノロジー、スーパーマイクロのCEOや責任者らによるテクノロジーや各社の最新のビジョンについての講演が実施され、このほかマイクロソフトとNVIDIAの代表による2つの基調講演も行われた。いずれもCOMPUTEXのYoutubeサイトでライブ配信された。

南港第1展示ホール1階Jエリアで5月26日、3セッションのCOMPUTEXフォーラムが行われた。午前中の第1セッションは「テクノロジー・エンパワーメント」をテーマに、テキサス・インスツルメンツ、エリクソン、XPセミコンダクターズ、NVIDIA、マイクロンテクノロジーなどが参加し、世界のテクノロジー大手と言われる各社がいかにパートナーを見つけ、新しいテクノロジーを追求しながら変革を受け入れているかについて議論した。

午後の第2セッションでは、台湾の台達電子(デルタ電子)が「ネットゼロという未来のためのイノベーション(Unceasing Innovation for a Net Zero Future)」をテーマに、いかにデジタル技術を活用しながら2050年の炭素排出量ゼロという目標(ネットゼロ)を達成するかについて語った。

第3セッションでは「アプリケーション・アドバンスメンツ」をテーマに、HTC、IBM、ダッソー・システムズ、ノキア台湾法人などの大手テクノロジー企業の代表がパネリストとなり、メタバースをテーマに、企業がいかに積極的にスマートライフに関するビジネスチャンスを模索しつつ、全く新たな雇用形態を作り出すのに成功しているかについて知見を共有した。

さらに今年は、COMPUTEX2022の公式ニュースチャンネルに「展示会場ライブルーム」を設置し、見本市開催期間中、イベントレポートを最速で視聴者に提供した。目玉は「テーマガイダンス」で、業界のオピニオン・リーダーらがブースを参観しながら、見本市の見どころを自ら解説し、視聴者に新たな視点を提供していた。同時に米国のEmbedded Computing Design、日本の電波新聞、韓国のITチョソンなどの海外メディアも独自の視点からCOMPUTEXに関する報道を行うなど、台湾の科学技術の実力を世界に向けてアピールした。