台湾教育部は4月10日、中国が2000年春に台湾への正規留学の禁止を発表したのを受け、台湾の大学に在籍する中国人学部生は2023年度をもってゼロになることを明らかにした。潘文忠教育部長は同日、報道陣に対して「台湾への留学を禁止した中国の措置はとても残念だ」と話した。
禁止令は20年4月に中国の教育部によるもの。すでに台湾の大学に在籍している中国人学生を除き、台湾への正規留学を暫定的に停止すると発表。その後再開の可能性が見えず、20年度以降に台湾の大学に新たに正規留学した中国人学生はおらず、19年度入学生が卒業するのをもって、中国人学部生は台湾の大学から姿を消すこととなる。
台湾教育部は「中国の学生の台湾留学を一貫して支持するのは教育部の基本方針であり、中国の禁止措置で両岸の若者が交流する機会が減ったことは残念しかない」と立場を明らかにした。
今後の交流について同部は「台湾の対中窓口機関などと共に中国側とのつながりを積極的に求め続け、両岸の青年交流において台湾留学が非常に大きな効果を持つことを理解してもらえるようにしたい」と発した。
台湾の大学の新学年度は毎年8月から始まる。昨年発表された「境外学生概況報告」によると、新型コロナウイルスの流行により留学生数が92,963人で05年以来の最低記録となった。国籍別から見ると、ベトナム、インドネシア、マレーシアからの留学生は一番多く、日本の留学生数は5位に留まった。