主要7カ国(G7)外相会合が4月16日から18日まで長野県軽井沢で開かれた。採択された共同声明には、ロシアによるウクライナ侵攻や台湾海峡の安定と平和への懸念が示された。さらに、ロシアによるウクライナ侵攻について、厳しい対ロ制裁と強力なウクライナ支援の継続を改めて確認したほか、ロシアへの軍事援助の動きに緊密に連携して対処することを打ち出し、懸念が高まる中国による兵器供与をけん制した。
また両岸関係の緊張の高まりについては「中国が武力による現状変更の試みに断固反対し、台湾海峡の平和と安定の充当性を確認した」とし、共同声明にも載せた。また台湾の有意義な国際組織参加については「台湾の世界保健機関への有意義な参加を支持する」とした。
最終日は議長国を務める日本が最も重視している核軍縮について議論が行われた。日本メディアによると林芳正外相は岸田首相が提唱する「ヒロシマ・アクション・プラン」を念頭に、アメリカなどの核保有国と議論したという。
日本のメディアは「議長国である日本としては、今回の会談での成果とG7各国の結束をアピールすることで、5月に開催される広島サミットの成功につなげたい考え」と発した。
一方、中国外交部の汪文斌副報道局長は同17日の記者会見で「台湾問題は中国の内政であり、いかなる外部の干渉も許さない」と反発した。また汪氏は情勢緊張の根本的原因は「台湾独立分子が外部勢力の支持の下で、分裂活動をしているのだ」と非難した。
台湾外交部は同18日夜、声明の内容を歓迎するとともにG7メンバーの台湾に対する固い支持に感謝を示した。中国が「台湾は中国の領土の一部だ」として反発したことについては、「わが国は中華人民共和国と互いに隷属しない。これはずっと前からの客観的事実であり両岸の現状でもある」と改めて強調した。