台湾台北市政府文化局はこのほど、市内で日本統治時代において発行されていた『台湾民報』百周年の特別展を開催している。
同紙は1923(大正12)年に東京で創刊。前身は台湾人の地位向上を目指す政治運動団体「新民会」の機関刊行物『台湾青年』で、日本語と中国語を混用していたが、『台湾民報』は発行後の半年間中国語で記述されていた。1925年週刊誌に改められる同時に、台北支社を設置した。
同文化局によると、東京で印刷された紙面は数日かけて台湾に運ばれ、さらに最長40日に及ぶ検閲を経て発行されたが、植民地政府への批判や監視の役割を果たし、第四極として立ち上げたという。
会場は台湾民報の創刊に関わった社会運動家、蒋渭水の記念館「渭水駅站」で、かつての販売拠点の近くでもある。その拠点を兼ねた蒋が開業した大安医院の建物の模型や当時の紙面を展示しており、文化局は100年前の発行の状況や台湾人が言論の自由を求めて立ち上がった歴史への認識を深められるとしている。
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