是枝監督の特別展 影響を受けた侯孝賢監督の「童年往事」も上映 鎌倉市川喜多映画記念館

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是枝監督(右)が「尊敬してやまない」と語る侯監督(左)=川喜多映画記念館提供

神奈川県鎌倉市にある「鎌倉市川喜多映画記念館」は、ヒット作を連発している是枝裕和監督に焦点を当てた特別展の「映画監督・是枝裕和のまなざし」を開催中だ。資料展示にあわせて館内の上映施設で是枝作品を上映するほか、是枝監督が大きな影響を受けたとされる台湾の侯孝賢監督の「童年往事 時の流れ」(台湾では「童年往事」)を10月31日から上映する。

鎌倉市川喜多映画記念館(同記念館提供)

是枝監督の祖父が日本統治時代の台湾に移住したため、父親は1920年に台湾で生まれ、育っている。是枝監督は東京都生まれだが、童年往事を見て「台湾生まれの父親の原風景を見出した」と語ったといわれている。同記念館によると、特別展で童年往事を上映することについて是枝監督に伝えているという。 同記念館は日本映画の発展に貢献した川喜多長政・かしこ夫妻を記念するため、2010年に夫妻の住んだ邸宅跡に開館した。館内に上映施設が設けられている。

童年往事の一場面(鎌倉市川喜多映画記念館提供)

上映する是枝監督作品は「誰も知らない」、「ワンダフルライフ」、「歩いても 歩いても」、「奇跡」など10本。他に、童年往事など関連する3本を上映する。

童年往事は1985年製作、国民党の独裁政治が続いていた1950~60年代の台湾社会を背景に少年の成長を、家族との日常生活の中で描いている。侯監督の自伝的な作品といわれ、第36回ベルリン国際映画祭国際映画批評家連盟賞を受賞するなど、国際的にも高く評価されている。童年往事の上映は10月31日、11月2、3、5日。時間、料金など詳細は鎌倉市川喜多映画記念館のHPで。